ご案内

ginsa5.jpg

第33回詰将棋全国大会参加記 前編 in名古屋

全国大会参加記は毎年、詳細なレポート風のものを書いてるのですが、最近は若手詰キストによるブログであちこち書かれているのと、あと単純に面倒だと思ったので 笑、今年はやめておきます。

今年、全国大会以上に自分にとってメインだったのは前夜イベントのほうで、講師を任されていたのでそれなりに準備して臨みました。
去年の全国大会で元水さんに声をかけていただいて、果たして何を喋ればいいものやら……とずっと考えていました。
僕は例えば詰将棋の構想面で先端を行く作家でもないですし、詰将棋の歴史に詳しいわけでもないので、そういうところを喋るのであれば自分以外に適任がいるはず。自分でないと喋れない内容で、そして「参加されるのは詰キストばかりなので、内容は上級者向けでお願いします」と言われていたため、それにふさわしいものを……と考えると、一つ浮かんできました。
「美学・藝術学の視点から現代詰将棋を俯瞰する」
大学の教養学部時代に、美学を扱う講義を取っていて、そこで話される内容が詰将棋と関わりのある形で自分の頭に入ってきたものですから、どうにかこれをテーマとして今回の機会にお話できないかと思いつきました。
美学の入門書をいくつか繙いて、それを詰将棋にあてはめた際にどういうものが見えてくるのか。何か新しい考え方の一つでも提示できればいいな、と思っていたのですが……すいません、いかんせん時間切れです。あと僕の実力不足です。
クリティカルに詰将棋に迫るような内容をまとめあげられないまま当日が迫ってきて、急いでレジュメとスライドを作成。あとは自分のトークでどれだけ議論を呼べるかに期待を託すことにしました。

15日、朝7時東京発の高速バスに乗って名古屋へ。たいへんな渋滞で、名古屋駅に着いたのは15時過ぎでした。
名古屋に住んでいる高校の友人と軽く話して別れ、会場の「ウインクあいち」に着いたのは18時15分くらい? なかなかギリギリになってしまい申し訳ありませんでした。
会場にはなんと70人近くの詰キストが集合しており、せいぜいたま研くらいの人数だろうと予想していたのでこれは驚きました。

準備の都合などで、3つある講義のうち堀内さんのソフト紹介が先に回されました。
内容的には、まあ普通にネット情報をチェックしていればだいたい知っている、というようなオーソドックスなもの。質疑応答でいろいろな情報提供がなされて、受講者のレベルの高さに講師たじたじな印象 笑。金子さん作成の諸ツールの使用レビューを聞きたいところです。

堀内さんの講義が短く終わったので、10分ほど繰り上がって僕の講義が開始。
会場で配られていたレジュメが、僕が事前に送っていたものとレイアウトが崩れていたり数式が消えていたりして、誤算。docxファイルじゃなくてちゃんとこちらでpdf化してから送ればよかったですね。
正しいレジュメをこちらに載せておきます。

美学・芸術学の視点から現代詰将棋を俯瞰する

なお講義にはPowerPointによるスライドも使用しましたが、こちらは非公開とさせてください。
レジュメを見ていただければわかるように、ガチガチの美学入門みたいな講義です。最初のほうは自己紹介やイントロダクションで受講者の反応も見て取れたのですが、藝術の定義云々の話になっていくと、ドロップアウトされていく方が結構出てきたなあと見渡しながら喋っていました 笑。
このあたりをいかに興味を引くように聞かせるかは講師の腕だと思うので、まだまだです。

後半になって、詰将棋はデザインとしての面が強い、というような話から、最後美学の視点から見た詰将棋の今後について議論のポイントを挙げて、ここで締めとしたのですが、このあたりは多少食いつきがよかったかなと思っていました。
もし別の機会があるなら、このあたりを論理的に深めていきたい気もしています。
質疑応答では、柳田さんから、湯村氏による「制約の美」という詰将棋感について教えていただきました。この点に関しては、日頃僕が感じていることにまさに一致していて、今回の講義でも可能であれば話したいと思っていたことで、美学を踏まえた上でどう扱っていけばいいかがポイントになりそうです。
次に、北村さんから「デザインとしての詰将棋」の話に関連した意見をいただきました。講義中の、「詰将棋をデザインとして捉えるなら、作者名を表示しなくていい場合もあるかもしれない。例えば、新聞詰将棋」という内容に反対するような趣旨でした。僕がそれにレスポンスしている流れの中で、別のお二人からも意見をいただきましたが、どんどん横道にそれていく方向だったことと、意見の内容をやや違ったふうに僕が解釈してしまい回答が噛み合わなかった感じで、混沌としてしまったのは反省点です。
このあたりで時間切れ。今回話しきれなかった内容はまだまだあるので、いつかまた議論を交わせたらと思います。

講義の3つ目は、久保さんによる連合の話。
さすがに最近の作品は僕も理解しているつもりなので、復習しつつ、一方で久保さん独自の分類の上手さ、説明の上手さに感心しながら、楽しく聞いていました。
講義の収束をもう少しまとめたかったところではあります 笑。

セミナーの後で、講義の感想を言いに来てくださった方が何名かいて、とても嬉しく思いました。
大学で美学をかじっていまして……という方が、今回の講義名を見て参加を決めたとおっしゃっていて、ほんとうにありがたい限りです。やってよかったなと思いました。

解散後、コアメンバー入り交ざった形で二次会へ。
いつもどおり自作を並べる会となりました。
でも今回一番の収穫は、山路さんの看寿賞作の創作過程を聞けたことです。純粋に感動。いやー詰将棋ってこうやって作ればいいんですね。

夜も遅くなって、名古屋勢の終電が迫ってきたたところで解散。
僕は資金難につき、一泊2500円のゲストハウスに宿泊しました。大学に入ってからよく自転車で旅行に行くのですが、長旅でゲストハウスにもよく泊まっているので、こういう環境のほうが落ち着くものです。たとえシャワーのお湯が出なくても。

つづく。

詰パラ2017年7月号雑感

ブログを1か月も放置してしまったのは初めてです。
トップに広告が表示されてしまい見栄えが悪いので、更新しておきます。

詰パラ7月号の雑感ですが、とりあえずやっぱり看寿賞ですね。
受賞された皆さんおめでとうございます。若手がほとんどを占有することになりました。
今年は、大きな波乱(?)もなく、受賞すべくして受賞した、というラインナップだったように思います。

短編の上谷作。作者ブログのリンクも貼っておきます。→フェアリー時々詰将棋
初めて作品を見た時は、久し振りにきりりと締まった好短編が現れたな、と思ったものでした。文句なしに今年のトップ短編でしょう。
武島作は高水準の平常運転ということで、頭一つ抜け出た作品があった、という印象は今年はありませんでした。9月号高校17手は以前も書きましたが大好きです。
あとは、このブログの裏短コンから、「スパイラル」に何票か入ったことは嬉しかったですね。→結果稿
僕としては、看寿賞としてはやっぱり角生非限定が気になる&もう一押し欲しい、ということで積極的には推せないと思っていたので、これが次点であることに異論はまったくないですが、選考討議の中で、ネット発表であることが受賞を逃した一因であるように書かれているのには些か不満を感じました。
というのも、裏短コンは通常のネット発表どころか、詰パラ本誌よりも魅力ある発表場所だと自負していますので(権威はないですがね)。
ただ、やっぱり自信作は詰パラに出すという風潮は今後も続いていくでしょうね。例えばスマホ詰パラに好作が出たとしても、それは作者が「褒められた作ではない」と感じての投稿である可能性は高そうです。
そうなると、やっぱり看寿賞は作者にとっての自信作を選びたい、という考えにも一理ある気はします。

それでも世の中には「詰パラには見限りをつけた」と言って大作をネットで発表するようになり、そして実際ネットから看寿賞を獲ってしまった方もいるのでまた悩ましいものです 笑。

中編賞にも異論はありません。相馬作は衝撃的な作品でこれが受賞しないことには……な内容でしたし、山路作も奇跡的な手順です。
もう一歩のところで受賞を逃したのは小林作と梶下作でしたか。発表するタイミングによっては受賞もありえた、という内容だったと思います。
なお、鈴川の選ぶ2016年中編ベストは9月号大学のかめぞうさんです。仕方ないとは言え、半期賞を逃した上に、看寿賞でも一言も触れられないのはさすがに寂しかったです。

長編は、なんといっても馬屋原さんの受賞が嬉しい。「手裏剣」、これこそ究極の知恵の輪の姿です。
馬屋原さんといえば、看寿賞や握り詰や短コンで次点になることが多く、作家としての能力に相応する評価がなされていない印象をずっと抱いていました。
詰パラ2016年5月号で僕がたま研結果稿を書いた時に、馬屋原さんを「看寿賞に最も近い作家」としていますが、その予想が最速で当たりましたね。
あと、久保さんの「LCM」は受賞確実だと思っていたので、特に今コメントすることはないですかね。
2016年の全国大会で、久保さんが一本締めの音頭(たぶん)の時に、「来年は「位置エネルギー」だけの作家じゃなくなってると期待してください」などと喋っていたのを覚えています。これもある意味メタ発言となりました。

さて、看寿賞について書いてきましたが、意外に言いたいことってあるものなんですね 笑。
それ以外の詰パラ雑感を書こうと思っていましたが、実は今月、あんまり触れるような内容がないです。
いつもの、「今月の結果稿お気に入り!」は次の通り。短評形式で。

小20 この詰上りは見飽きたと言いたいところだが、飛の振り子運動を表現できるとは! 構想力と作図力に感嘆。
高20 あまりにきれいすぎる収束だが初めて見た気がする。逆算も適切。

あれ、意外に少ない。
他は、大11がおもしろい構想だと思いました。春霞賞有力候補?

さて、全国大会が4日後ですね。

第318回詰工房参加記

半年振りくらいの詰工房です。しかも半年前はのんびり会目当てで詰工房はついでだったので、ほとんど1年振りかもしれません。
月末の土曜は何かと予定が被ってしまいまして……。今回は日曜だったので参加できました。

3時半過ぎにきゅりあん着。スクリーンには偶然にも高校発表作が映されていました。噂をすれば何とやら? ちょうどいいのでとコメントを求められましたが、特に思い入れがある作でもないので逆に困ってしまいました。

春霞賞候補作は、野曽原さんの「等時性」に決定。相馬さんの4連続打診中合とは僅差でした。
候補作選考時には、構想作以外にも、安武利太さんの好みの作がたくさん紹介されるのがいつもの光景ですが、5月号雑感にも書いた通り、2月号には僕好みの作はありませんでした……。

選考が終わった後の時間を利用して、いつもの若手グループに新作をいくつか出題。
実は5月の間にゲリラ的に10作も作っていて、誰かに見せたくて仕方なかった感じでした 笑。

2次会でも引き続き、新作出題が続きました。
あとは、馬屋原さんと利波さんの握り詰を解いたり。馬屋原さんはちえのわにも2か月にわたって握り詰について書いてもらいましたが、利波さんも毎年それに負けじといい作品を出されています。今年も上位間違いなしだと思います。

順位戦の話題なども一段落して、若手が帰り始めたので、一転してちえのわ雑文集の話。
いつものことながら、原稿募集中です。
9時過ぎに解散の流れとなりました。

次の会合は全国大会ですね。楽しみです。

詰パラ2017年6月号雑感

詰パラ6月号をざっくりと。

表紙……初めて詰パラを手に取った人がこの「表紙の言葉」を読んでどう思うんだろう……嗚呼……。

保育園・幼稚園……久し振りに解いてみたのですがなかなか時間かかりました。解図力の衰え……(もともと低い)。

A級順位戦……優勝はできないと思いますが、自信作での参戦です。ぜひ作者当てを 笑。

同人室……この課題、北村さんの提案だったんですね。納得。在庫から出してきたものですが、悪くはないと思うので。

詰工房作品展……詰工房で課題創作!という、前代未聞(ウソ)の作品展です。ちょうど発表先に困っていた作を出しました。まあ「攻方が歩を打たない打歩詰手筋」と来たら、「そもそも盤面に歩がない」作を出してみたくなります。

門脇賞……Twitterなどでは賛否両論の声を聞きますが、僕は大いに賛成派。詰将棋界に貢献した人、が対象となる賞なので、何らおかしくないはずです。
ところで藤井四段といえば、つい先日の20連勝目の棋譜がすごかったのを思い出します。あそこまで白熱した終盤はなかなか見当たりません。

ちえのわ雑文集……去年もちえのわは解答選手権参加記を載せました。毎年恒例にしていきたいですね。
それと、毎度のことながら原稿募集中です。

会合案内……「たま研」の案内は間違いですね。今年は柿木義一さんが講義をされるそうですよ!

結果稿……今月の好み!は、たま研①、創棋会⑤、それとデパート全作です。ちえのわ特集はやっぱり最高ですね。その中でもデパ③はほんとうに巧みだと思いました。

徳島新聞発表作3つ

詰パラの須藤さんから依頼されて、徳島新聞の詰将棋欄に詰将棋を3つ投稿しました。
もうかなり前の話ですが、せっかくなのでまとめておきます。



徳島新聞2016年1月29日 詰め将棋新題 第2708回

東京都杉並区
(全日本詰将棋連盟)鈴川優希氏作

【ヒント】飛車打ちが好手。5分で3級。7手詰め。解答は29日付夕刊。



桂の利きに打つ3手目25飛が好手。離して26飛は14玉で詰みません。金捨てが決め手。6手目22玉・32馬までも正解。(鈴川氏作)

★22飛と見せかけて25飛というのが狙いでした。



徳島新聞2016年2月26日 詰め将棋新題 第2713回

東京都杉並区
(全日本詰将棋連盟)鈴川優希氏作

【ヒント】合い駒は利きを考えます。10分で2級。9手詰め。解答は29日付夕刊。



7手目32龍に備えるため2手目の合駒は銀と定まります。守りの角を動かすための22飛成が巧い捨て駒。

★別作の余詰筋から派生して作りました。なかなか見ない筋では。




徳島新聞2016年4月25日 詰め将棋新題 第2726回

東京都杉並区
(全日本詰将棋連盟)鈴川優希氏作

【ヒント】逃げ道を作ります。10分で1級。11手詰め。解答は26日付夕刊。



2手目に合駒を打つと25桂まで。そこで角の移動合で逃げ道を作るのが受けの妙手です。(鈴川氏作)

★これはお気に入り。移動中合の角を取って打って、最後に捨てる構成を意識しています。



徳島新聞は採用されれば1作700円もらえます。
条件は
・7~11手
・右上6×6
・盤上10枚以下、持駒5枚以下
・単玉
・4手以上の変同や合駒非限定不可
なので、幼稚園の代わりに徳島新聞へ、という選択肢も大いにアリなんじゃないでしょうか。
なお、新聞の切り抜きを郵送してもらえます。
投稿は須藤さんにメール!
カレンダー(月別)
06 ≪│2017/07│≫ 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
FC2カウンター
About
my cubeへようこそ。詰将棋のブログです。駒を並べてアートが表現できるって素敵なことじゃありませんか? 詰キストの方もビギナーの方も楽しんでいってください。

管理者:鈴川優希
月刊誌「詰将棋パラダイス」を活動拠点とする詰将棋作家。石川県のド田舎育ちですが、大学進学とともに東京へ。詰工房などの会合に顔を出したり、解答選手権などのイベントを運営したりしてます。詰将棋は小学生の時から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回達成)。半期賞受賞6回。2016年4月より詰パラ連載「ちえのわ雑文集」の世話役に就任。現在、第一作品集を執筆中。出版は今夏を予定していましたが果たして……。

第n回裏短編コンクール
2015年11月に開催した企画で、7手詰を募集して17作を出題しました。45名もの方に解答していただき感謝です。順位発表はニコ生で放送するという新しい試み。

第φ回裏短編コンクール
2016年、裏短コン2回目の開催。9手詰25作出題の大盛況でした。結果稿はいずれもブログ右袖のカテゴリーからどうぞ。

たのしく、うつくしく。
難解? 複雑? そんなものとは無縁な「易しいからこそ楽しい」作品を紹介していく連載です。不定期更新。

解付き出題
自作を解付きで出していた企画で、現在#120をもって休止中。在庫整理の意味合いが強いので質より量です。

今週の詰将棋・
詰将棋ウィークリー

今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答して頂いた方に感謝します。
※81puzzler閉鎖につき詰将棋ウィークリーの記事にはリンク切れが多いです。

このブログはリンクフリーです。Sine 2009.6.
メールアドレス
makugaeru●yahoo.co.jp
●を@に替えてください。
全記事数表示
全タイトルを表示
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
詰将棋あるあるbot