詰将棋ウィークリー#23 解答

出題編はこちら
☆なぜか学校始まったとたん詰棋熱が燃え上がってしまった宮原です。よろしくですー。
★よろしくお願いします。今回、かなり記事が長くなってしまいました。







☆さあちょっと大きめの初形。とりあえず進めてみますが、雰囲気で初手45飛成は第一感でしょう。
☆問題は3手目。34玉の変化に備えるためにも13に成りたいですが、それはその34玉で歩が打てず逃れ。というわけでここで不成が飛び出します。今度34玉は35歩から早いですね。
☆なので4手目は合駒。しかし単純な合では35角成~56歩で早いです。玉方は打ち歩に誘わなければ…もうお分かりですね?そう、ここで56への利きを消す必殺、47飛生の不成移動中合が出てくるわけです!
☆後は35馬~64馬でお決まりの収束です。習いある収束ですが、やはり重い馬を消すと好感が持てます。

★盤面対子図式だったのですが、残念ながらそれに関してのコメントはありませんでした。まあ普通は気付きませんよね。一応、初手はそのための意味もあったのですが。

☆本作、個人的にはかなり好みです。打ち歩絡みの不成・中合はそれこそ何十局も創ってきたかも。(^^; 配置に少し難があるものの、入選級とは思います。

★皆さんからの改作案は後回しにして、先にコメント返信します。(敬称略)

EOG 「角不成の意味が争点と箇所にあるのが面白い。飛不成の方は、成ると別詰はあるものの同じ手順でも詰む点がちょっと痛いかな」

★2箇所で打歩詰となるのはちょっと珍しいかなと思います。

後藤満 「打歩詰をめぐる13角不成~47飛不成の攻防がシブイですね。実戦だとつい勢い任せで成ってしまいそうです」

★後手の飛不成はただ駒余りを避けるためですが、先手が角を成ってしまうとヒョイとかわされ、実践だとアッと声が出ますね。

コモン 「打歩詰を巡る双方の大駒不成イイネエ」

★僕は不成モノは得意じゃないので今まで作ったことがほどんどなく、今回、双方不成にチャレンジしてみました。

小野寺 「一発ネタだけどいいね」

★この図のままだと一発ネタだったのですが、深みのある作品にする改作案がこの後続々と。

こじはる 「11手で双方不成(゚д゚)! 盤面が広がっているのが残念ですが、立派に中学クラスでしょう」

★打歩詰絡みの双方不成って、理論上の最短は7手かな?

蛇塚の坂本 「ニクイテクニック三連発1三角不成、4七に合いさせてから、3五角成、6四馬で桂を移動させてからの歩打ち面白い」

★特に角不成は後から付け加えたものなので、愛着があります。

やまかん 「57飛不成や31馬を捨てるのは気持ちいい。慣れてなければ確実に間違いますね、これ」

☆最初13角成としてあっさり罠に嵌ってたのはナイショ。
★宮原さんはよく「~は内密に」とか「~はナイショ」とか使ってますけど、全部バレてるじゃんってツッコミを入れてみる。

名無し名人 「限定移動と移動中合で双方不成を表現したところが意欲的ですね」

★双方不成、どうせやるならちょっと変わったのにしよう、と考えて作りました。
☆こーゆーのに目が無いのが僕です。(笑)

変寝夢 「ほほう、これも結構うまくできてるなというのが第一印象です。お気に入りは双方不成です。特に三手目の方は変化に隠れていますので。
ただ、初手は大駒捨てといっても、歩打ぐらいの価値にしか見えないので(一応2五銀の紛れはありますが)どうかなという気はします。妄想的には1三での邪魔駒消去が入らんかなと思います。例えば1五飛成、同X、1三角生とか。いや、1三に歩を持ってこさせる伏線かな・・・。こうしてまた楽しい時間が過ぎていくのでした。まぁあまり「らしくない」とかにこだわらず、何でもやってみてはいかがでしょうか?」

★確かに初手は安直過ぎましたか。大駒捨てならば悪いはずがないという考えだったのですが、必然過ぎて形が重くなっただけでした。
作風については、僕自身は全くこだわりを持っていなくて、何でも作りたいという気持ちはずっと変わりませんよ。作風を安定させてしまうと、それ以外の作を発表できなくなってしまうので。


★さて、ここから改作案ラッシュです。まずは原図からシンプルに逆算したさわやか風太郎さん。

さわやか風太郎 「打ち歩詰を巡る双方の不成の応酬はお見事。しかも打ち歩になる箇所が二つも。ついでにちょっと小技を効かすのはどうか。

11-96+5.gif

やり過ぎかな」

★35歩、24玉、34歩、同玉以下原作と同じで15手詰ですね。これは味が良い逆算です。
☆なるほど面白い!邪魔駒消去でポイントアップ、この素材はかなりの発展性がありそうですね。

★さて次は宮原さんの案。

☆一箇所気になるのは47飛48香が詰上がりに関係なくそのまま残ってしまうこと。あまりそう思われていないかもしれないけど、案外僕もこういう感覚を持っているのです。(^^;
そこでこんな改作案を提示してみます。







☆序の2手は超劣化しましたが一応初形駒を2枚減らし、収束にいやみが無くなったかなとは思います。といってもそこまで大差があるとも思えませんが、この図から色々逆算できるので発展は見込めそうです。
★大差ありすぎです! 歩を打つ場所が3箇所に増えていますし、さらに不成から戻ってきた馬を消す収束は綺麗。21角配置がうまいですね。

★さて次は三輪さんです。

三輪勝昭 「4手目の移動不成中合をした47飛とそれをさせた48香が詰上がりにそのまま残ってしまう。それを解消する図を考えようとしたけど、鈴川君なら既に持っていると思って止めた。
多分折り合いが付かなかったのだろうけど、僕なら〇〇した駒がそのまま残るのはどんな代償を払っても許さない。多分僕と同じ感覚はお持ちのはず。鈴川君らしくないと言うより、もう一つ上の言葉にしましょう。「鈴川君の作品とは思えない」 因みに47飛を動かす図は13角を成に限定するのは難しいかな?」

★とコメントされましたが、解答発表後に次のようなメールが送られてきました。

三輪勝昭 「ウィークリー#23は僕は3手目角を成ってしまい誤解答です。余りに恥ずかしいので改良案を示しておきます」

★この後、さらに何通かのメールを頂いて、次の図が三輪さんの最終的な改良図となりました。記事が恐ろしく長くなってしまうので、割愛させて頂くことをお許しください。

三輪勝昭 「47銀合が詰まないのが激痛。
44歩消去は三輪好みですが皆さんはどうなのでしょうか?






★流石、三輪さんといった趣の図です。初手67金を省くと、65銀、45玉、13角不成に47金合の妙坊で逃れとなります。収束へとつなぐための歩消去や、飛のスイッチバックが加わり、一級品となっています。
配置を気にしなければ、ここまで良くなるものだということを教えてもらいました。ありがとうございました。


正解者:EOG、後藤満、コモン、小野寺、さわやか風太郎、こじはる、蛇塚の坂本、やまかん、名無し名人、変寝夢 以上10名


☆それでは以上です。ありがとうございました。(^^)ノシ
★ありがとうございました。

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改作のすすめ

今回のウィークリー#23の解説記事は素晴らしいですね。
自分の改作図が示されているからだろうって?
確かにその通りです〜
でもそれ以上に嬉しいのが改作案を示す人が二人もいた事です。

僕の改作行為に関する考え方は名無し名人さんのブログの詰パラ9月号の記事にコメントしていますので是非読んで頂きたい。
僕は発表された作品に改作案がなされる詰棋界を望んでいますが、それは原作を無視する行為で問題があります。
しかし、サイト発表の作品(特に解答募集している作品)は改作案を示そうが問題ないはずです。
サイト発表作は皆さんでどんどん改作案を出し合うのが理想と思っています。
もう一つ理想は改作案に対しても色々意見が出される詰棋界が理想と思っています。

そこで三人の案にコメントを…
さわやか風太郎案
僕はこのような小味な手が大好き。
お気に入りの手を書けと言われれば(書けと言われているのにいつも書いて無いじゃないかとツッコンで下さい)双方不成を差し置いて35歩〜34歩と書きたくなります。

宮原案。
僕は詰上がりで詰方の無用利きを極端に嫌います。
理由は格好悪いから。
僕は詰上がり悪形と呼んでいます。
僕は初形悪形より悪いと思っています。
それを除けば申し分なくお見事と言えます。

三輪案。
僕は初形は気にしないように思われているのですね。
あくまでも手順とのバランスと思っていて、配置には気を使ってはいるんですがね〜(涙)。

うへっ、3手目成っちゃった♪テヘペロ

推敲ってほんと大事だよね~

まずは「~はナイショ」について。お分かりだとは思いますが、ネタです!wwwwwww

改作案。自分の解作案の詰め上がりについて三輪さんがコメントしてくれましたが、詰方の無用利きに特に気を使ったつもりなので無駄はほとんど無いと思いますが…その辺はどうなのでしょうか。
ちなみに、還元玉・還元飛(龍)です。(笑)

三輪さんの案。うーん、手順は一番すばらですが初形の成銀とそれに関した合駒制限はちょっと痛いですね…善悪は微妙かも。

とりあえず、推敲は大事です!^^;

詰上がりの二重利き

詰方の無用利きと書いたのは、詰上がりにおいて詰方の駒が二枚以上利いている事を言ったつもりでした。
宮原案で言えば56・75・76の箇所です。
以前鈴川君がチェスにはその用語があるらしいとの事で、詰将棋に欲しいです。

これを気にするタイプと気にならないタイプがいますが、僕は極端に気にします。

>三輪さん
改作図の意見については同意します。しかし、僕としては他の方の改作案をそのまま自作としてしまうのは図々しく感じてしまうんですよね。

初形配置について、僕も、手順と形のバランスについてはよく考えています。ただ、手順に対する形の許容範囲が、三輪さんの方が広いというのは事実だと思います。僕の場合、2手逆算するために2枚以上駒数を増やすのは原則としてNGです。まあ、開き直って超悪形にすることもありますが。

>小野寺さん
意外と角不成はうっかりされる方が多いですね。

>宮原さん
たぶん三輪さんは、詰上図で攻方駒の利きがかぶることを気にしているのだと思います。宮原さんの案場合、56、75、76がそれに当たりますね。

本来なら僕なりの改良図も上げるべきなのでしょうが、どうもうまくいきませんでした。

改作行為のコメント

鈴川さんへ
改作行為に関する名無し名人さんのサイトしたコメントは読んで頂けたようですね。
あれはあくまでも僕の願望であって主張ではありません。
よって異論はなしと最初に書きました。
でも異論的なものがあると言う事は主旨は理解して頂いたとありがたく思っています。

>三輪さん
重ねてコメントありがとうございます。
主張でなく願望であった点について、失礼しました。詰将棋の発展のためには必要性がありそうですね。
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About
my cubeへようこそ。詰将棋のブログです。駒を並べてアートが表現できるって素敵なことじゃありませんか? 詰キストの方もビギナーの方も楽しんでいってください。

Author:鈴川優希
1997年生まれ。月刊誌「詰将棋パラダイス」に作品を発表している詰将棋作家です。詰将棋は小学生の頃から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回)。半期賞9回、看寿賞1回。2016年4月~2020年6月「ちえのわ雑文集」世話役を務めました。現在は入選200回を目指す傍ら、順位戦や短コンの解説をたまに担当しています。

裏短編コンクール
2015年(第n回)・2016年(第φ回)に当ブログで開催。使用駒数11枚以上、タイトル必須という条件で募集した作品を出題し、解答者に評価してもらうという企画です。結果発表はニコ生で行いました。作品の結果稿はブログ右袖のカテゴリーからご覧いただけます。なお、この裏短コンはほっとさんのブログ「詰将棋考察ノート」に受け継がれました。

今週の詰将棋・
詰将棋ウィークリー

今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答していただいた方に感謝します。
※81puzzler閉鎖につき詰将棋ウィークリーの記事にはリンク切れが多いです。

解付き出題
自作を解付きで並べていくだけ。現在#120をもって休止中。在庫整理の意味合いが強いので質より量です。

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