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短編名作選 落穂拾い

今さらですが、『現代詰将棋短編名作選1976-2015』。宣伝しておきます。

tanpen_meisakusen.jpg

古今詰将棋のベスト・オブ・ベスト400局
現代の一流詰将棋作家40人が、これまで発表された数多の短編詰将棋の中から、特に感銘を受けた作品を1人10局ずつ推薦し、解説を加えたベスト・オブ・ベスト400局。
挑戦するもよし、珠玉の芸術作品として盤に並べて鑑賞するもよし。永久保存版です。
(将棋情報局より引用)

ここで言う「現代の一流詰将棋作家」に僕も入っていまして、10作品を解説しています。
解説よりも選題のほうが骨の折れる作業でした。
過去のいろいろな作品を見て、他の人と推薦が被ったりもして、ようやく選んだという感じです。
今回は、候補に上げてはいたものの、収録することが叶わなかった作品をいくつか紹介します。




めちゃくちゃシンプルな図。
しかし限定合を2回動かす手順は、びっくりするくらい味がよく、好みでした。
序に角2枚を設置して穏やかに始まり、12角成を避けられて「おっ?」となる。その直後にダイナミックな飛の突進、そして締めの13角成と、リズムがすこぶるいい。




収録させるべきか最後まで迷った作品。
大駒4枚の積み崩し。ありふれた狙いのようで、相当に作図は難しい。元の場所に戻って頭金まで、という構成が好みのど真ん中だ。
57同桂成もちゃんと成に限定されているし、よくできている。
81桂さえなければ……というところ。おそらくそのあたりが嫌われたか、順位戦では3位という評価だった。




この作品は完璧な短編だと言わせてほしい。
なぜ初手61角ではいけないのか。そして、2手目歩合には46龍で充分だったのに、なぜ桂合には47龍なのか。
合駒を動かし、打った駒を消し去る収束の爽快さもさることながら、変化の作り込みまで、あまりに巧すぎる。
唯一、完璧ではなかった点……それは5手目45龍からの余詰だった。作者による修正図が最近my cubeにコメントされたが、それもあえなく潰れているようで、いつか完全な修正が施され、この作品が再び脚光を浴びる日が待たれる。




これはおまけ。というのは、発表が1973年なので、今回の短編名作選の収録年から外れてしまっているため。
作品のほうは、これまたコミカルな手順。角2枚を積み、銀を不成で往復させ、そして角2枚を崩せば、初形から歩が消えて1手詰。
本当に40年以上前の作品かと信じがたいものがあるが、小城魚太郎は山本民雄のペンネームだと聞けばなんとなく納得できそうな気もする。



以上4作、紹介して参りました。
僕の好みが出ているところもありますが、どれもこれも、胸を張って名作として推薦できる作品です。
逆に言えば、短編名作選はここにある以上のクオリティの作品が目白押しということで、未入手の方はぜひぜひご購入ください。
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Kifu for JSをブログに貼り付ける

このブログでは、詰将棋を再生するツールとして、kif2swfフラ盤を使ってきました。
どちらもたいへん優秀な再生盤で、他のサイトでもよく見られるのですが、前者は棋譜の分岐が作成できないという欠点とちょっとしたバグを抱えており、ここ数年はずっとフラ盤を使っていました。
しかし、つい最近になって、致命的な問題が生じます。
Adobe社がFlashの配布とアップデートを2020年で終了するというのです。また、各webブラウザも、段階的にサポートを終了していくとのこと。
これはつまり、Flashを使った棋譜再生盤が終焉を迎え、このブログに貼られている詰将棋が見られるのも残り5年がいいところになるということ。大問題です。
なおFlashは、そもそも最近のスマホからは見られませんね。スティーブ・ジョブズ氏は2007年にはもうFlashに見切りをつけていたようで、それが時代の流れになっている感じです。

では、これからブログに詰将棋を載せるためには、どうすればいいか。
世の中にはFlashを使用したkif2swfやフラ盤以外にも、「おもちゃ箱」で使われているKifu for Java、「詰将棋博物館」で使われている勝田将棋盤など、さまざまな棋譜再生盤が存在します。
しかし、最近はJavaもオワコン(終わったコンテンツ)になってきており、おそらく皆さんが経験されているようにこれらの将棋盤は閲覧しているPCからJavaを表示する許可をHPごとにしておかないと動きません。また、スマホからでは閲覧不可です。
おそらくJavaも、そのうち完全にサポートが停止される日が近いのではないでしょうか。

というわけで、残された道は、Flashに取って代わるものとしてAdobeも推奨している、HTML5です。もっと言えば、JavaScriptです。
(JavaとJavaScriptは全く別の概念です。念のため。)
JavaScriptを使った棋譜再生盤がないか……とネットの海を探し回って見つけたのが、この2つ。
Kifu for JSjsShogiKifu
このどちらかをmy cubeに導入できないか……と試行錯誤していたのですが、僕のweb知識が乏しく、いろいろ問題があってうまくいきませんでした。
しかし、おかもとさんと桃燈さんの助けを借りて、ようやく、Kifu for JSを貼り付けることに成功しました。
それでは前置きが長くなりましたが成果をご覧ください!



なんで自作じゃないんだよ、とツッコまれるかもしれませんが、棋譜にコメントと分岐があって、かつ短手数の作品にしたかったので……。
上谷志賀さんが保育園に変同を狙いにした作品を発表されていたので、それに関連してこういう作品があるよ、と全国大会で話していました。
10年以上も前に、ダブル回文詰なんてものがあったんですね。

さて、それでは軽く、他の詰将棋(or指将棋)ブロガーのために、Kifu for JSを貼り付ける方法を紹介しておきましょう。
まだまだ普及がなされていないようで、Kifu for JSが貼り付けられているサイトはおそらく、本家の紹介サイト以外に存在しない気がします。
ちなみに、fc2ブログ以外のことは分かりませんので、そのつもりで 笑。htmlほとんどわからない人向けに書きます。
なお僕もhtml超初心者なので、間違っているところなど大いに指摘してください。



1. Kifu for JSをダウンロード
Kifu for JSの配布ページに行き、緑色のボタンから「Download ZIP」。解凍して適当な場所に置いておく。

2. jQueryをダウンロード
jqueryというのはJavaScriptを簡単にするためのもので、開発者の方はこれを使って将棋盤をプログラミングしているようです。よってこれがないと動きません。公式サイトから最新版をダウンロードし、先ほどのKifu for JSのフォルダのsrcフォルダの中にでも入れておきましょう。

3. fc2ホームページに登録してKifu for JSをアップロード
いちばんのツッコミどころはここですね。現段階で、ブログ上だけではKifu for JSを動かすのは無理がありそうです。fc2のアカウントを持っている人なら無料でサーバーを取得することができます。
もちろん、他にサーバーを持っている場合は、そちらを使っても構いません。
そこに、Kifu for JSのフォルダをアップロードしましょう。また、これから作成するhtmlファイルなどを入れておくための適当なフォルダ(「kifuフォルダ」とします)もサーバー上に作っておくといいと思います。

4. kifファイルをアップロード
柿木将棋などで作成したkifファイルをサーバー上に作ったkifuフォルダにアップロードします。
ただ、そのままやってしまうと、対局開始日時や「手合割:平手」、「先手:人」などの詰将棋には不要な情報が入ってしまう可能性があるので、気になる人はいったんkifをコピーしてテキストファイルで編集してから拡張子を.txtでアップロードしてもいいと思います。(僕が上で貼り付けているのもtxtファイルです。「棋譜保存」ボタンから確認できるので参考にしてみてください。)

5. テキストエディタを開いて以下のコードをコピペ
テキストエディタは「メモ帳」でも何でもお好きなものを使ってください。以下をコピペします。

<!DOCTYPE html>
<head>
<meta charset="utf-8">
<script src="http://makugaeru.web.fc2.com/Kifu-for-JS-master/src/jquery-3.2.1.min.js"></script>
<link rel="stylesheet" type="text/css" href="http://makugaeru.web.fc2.com/Kifu-for-JS-master/css/kifuforjs.css">
<script src="http://makugaeru.web.fc2.com/Kifu-for-JS-master/out/kifuforjs.js" charset="utf-8"></script>
<script>
var Kifu = require("Kifu");
Kifu.settings={ImageDirectoryPath: "http://makugaeru.web.fc2.com/Kifu-for-JS-master/images"};
</script>
<style type="text/css">
body {
background-color: #FFFFFF;
}
</style>
</head>

<body>

<script>
Kifu.load("kominato_kaibun.txt", "board1");
</script>

<div id="board1"></div>

</body>
</html>

ここで、赤色の部分を、さっきアップロードしたKifu for JSフォルダ内のURLに置き換えていきます。「jquery.js」は自分で突っ込んだ場所、「kifuforjs.css」はcssフォルダに、「kifuforjs.js」はsrcフォルダにあります。
駒の画像を読み込む「images」は、フォルダの場所そのものをURLとして書いておきます。
さらに、載せたいkifファイル(もしくはテキストファイル)を青色のところに相対参照で指定します。絶対参照と相対参照の違いがわからない方は、とりあえずファイル名だけをここに書いておいてください。
最後に、表示される盤に「board1」など名前をつけて、ピンク色の2箇所に書いておきます。
こうして作成したテキストを、拡張子を.htmlにして保存し、fc2ホームページにアップロードします。この際、先ほどkifファイルをアップロードしたフォルダと同じ場所(kifフォルダ)に置いておきます。

6. このように動く盤が表示されていればOK
サーバー上でそのhtmlファイルを開いてみて、このように表示されていれば成功です。
http://makugaeru.web.fc2.com/kifu/kominato_kaibun.html

7. インラインフレームでブログに埋め込み
webサイトに盤を載せるのならこれで完了ですが、ブログに載せるにはもう一手間。以下のコードをブログ記事にコピペしてください。

<iframe class="kifuforjs" src="http://makugaeru.web.fc2.com/kifu/kominato_kaibun.html" flameborder="0" width="580" height="560" scrolling="no" frameborder="0"></iframe>

青色の部分を、自分がアップロードしたhtmlファイルのURLに変更すれば、ブログに埋め込むことができます。
なおインラインフレームの属性については一例ですので、適当にググって自分のブログに合わせてください。
例えば、拡大・縮小したいときはこうします。

<div style="width:530px; height:510px; overflow:hidden;"><iframe class="kifuforjs" src="http://makugaeru.web.fc2.com/kifu/kominato_kaibun.html" flameborder="0" width="590" height="560" scrolling="no" frameborder="0" style="transform:scale(0.9);-o-transform:scale(0.9);-webkit-transform:scale(0.9);-moz-transform:scale(0.9);-ms-transform:scale(0.9);transform-origin:0 0;-o-transform-origin:0 0;-webkit-transform-origin:0 0;-moz-transform-origin:0 0;-ms-transform-origin:0 0;"></iframe></div>

赤色の数字が倍率になります。このブログでは、横幅の都合で0.9倍くらいがちょうどいいですかね。



というわけで、Kifu for JS講座、いったん終了。
いやー、面倒くさいですね 笑。
まだKifu for JSのほうにユーザーフレンドリーでない部分が多いので、現段階ではこのように少々手間がかかります。
今後のバージョンアップはあるんでしょうか……?

ともかくこれで、Flashのサポート終了後も詰将棋を載せることができて一安心。
あと、スマホから見られるようになったというのも大きいですね。
今後はKifu for JSにお世話になりそうです。

ポートフォリオ

お久しぶりです。

このところデザインをやっていまして、フライヤーや名刺をつくっています。
詰将棋関係での仕事をまとめておきます。



flyer_mockuped2.png

第14回詰将棋解答選手権 告知フライヤー

今年2月くらいのもの。
例年、解答選手権のチラシは、どうぶつしょうぎなどデザインされているピエコデザイン(藤田麻衣子)さんに依頼しているのですが、今年は諸事情により僕が担当しました。
デザインとしては、従来のチラシを踏襲しています。



takenaka_sample_mockuped.jpg

竹中健一さん 名刺

詰将棋入り名刺デザイン。
シンプルなものに、という依頼だったので、落ち着いた感じにしました。
詰パラ解答王の肩書もリクエストがあったので、スタンプ風に。
盤の罫線を実際の9×9盤からはみ出すくらいまで伸ばすことで、詰将棋の小顔効果を狙っています。



umayabara_sample_mokcuped.jpg

馬屋原剛さん 名刺

これも同じく詰将棋入り名刺ですが、若手ということでかっこいい感じに。
ちゃっかり肩書は看寿賞作家になってます。
文字の配置にかなり苦戦したデザインです。
黒ベタの上に文字を載せると、なんかそれっぽく見えます。

Knight_in_the_Night.jpg

「Knight in the Night」 ロゴ

名刺に載せているものですが、今後馬屋原さんのロゴとして使えそうです。
ナイトの写真を見ながら手書きして、それをAdobe Captureでベクター画像として取り込んで作成しました。一回この機能つかってみたかったので。
コピーの軽い言葉遊びがいい感じな気がしています。



suzukawa_sample_mockuped.jpg

鈴川優希 名刺

せっかくなので自分の新しい名刺も作りたいと思いました。
裏面に載っている詰将棋は短編名作選収録のものですが、psi詰将棋(全体をどのように平行移動しても良い、配置場所によらないposition independentな詰将棋。詰マニより)ということで、あえて盤端を明記せずにデザインしてみました。
このまま解こうとすると非ッ常に見づらいというか、そもそも詰将棋になっているかどうかも怪しく思えるのですが、それも狙いの一つです。
紙はパール加工入り厚口和紙を使っていて、高かったです 笑。実物は角度によってキラキラして見えます。




名刺デザインでしたら片面100枚5000円程度(要相談)でデザインから郵送まで請け負いますので(たぶん)、詰将棋入りの名刺が欲しい方はご連絡いただけたらと思います。
名刺以外や詰将棋関係以外のデザインでも、お待ちしています。

宣伝と宣伝

解答選手権その後のこと。

少し前の話ですが、4/13(木)の朝日新聞夕刊に、チャンピオン戦のこと中心に掲載されています。

championmatchlight.jpg
デジタル記事はこちら→混戦・逆転、藤井四段V3 「詰将棋解答選手権」1点差で決着 (リンク切れに注意)

紙面の1/4ほどの大きな記事。ここまでスペースを割いてもらえるのは嬉しいですね。
なお左下にはちゃっかり自作が載っています。超難解作って 笑。

さらに、4/30(日)のNHK将棋フォーカスでも解答選手権が取り上げられる予定とのこと。
詰将棋イベントがもっとメジャーになっていってもらいたいものです。
来年の参加者数増加に期待がかかります。(今年も、過去最多だったのですが)

あ、あと作家の皆さん、選手権にふさわしい作品をぜひご準備ください 笑。



次の話題。
将棋情報局というサイトにて、詰将棋パラダイスがネット販売されることが決定したようです。
詰将棋パラダイス 販売開始のお知らせと記念キャンペーンのご案内

詰パラはたった5都道府県の限られた書店でしか売られておらず、定期購読するには郵便振替の面倒くさい手続きが必要でした。
将棋連盟の公式オンラインショップ(楽天)でも売られていたようですが、送料が500円もかかるため、多くの人が買っているようには到底思えませんでした。
それが今回、Web上で送料130円で買えるようになったというのは大きなアドバンスド。
しかも現在キャンペーン中につき、高価な書籍が抽選で当たるようです。
コンビニ決済にも対応というのもお手軽でよいですね。
これを機会に詰パラを手にとってみませんか。

解答選手権2017チラシ

今年も解答選手権のスタッフをやります。
ほとんどなんにもしなかった去年とは違い、一般戦のメイン担当を仰せつかっています。
詳しくは書けませんが、まあいろいろ仕事があるもので。

解答選手権の詳細については速報ブログを参照ください。

で、広報のために、毎年チラシをピエコデザインさんに作成してもらっているのですが(※)、今年は僕が作ることになりまして。
Adobeのソフトを購入、見よう見まねではじめてのデザインのお仕事。

※「どうぶつしょうぎ」のデザインをされた藤田麻衣子女流の会社です。

完成品はこちらです。

omote.jpg

ura.jpg

pdfのサンプルはこちら。
オモテ
ウラ

第11回、第12回、第13回と、色がピンク→緑→青ときたので、今年はオレンジにしてみました。
フォントをAdobeで使える無償のものに変えたり、長崎会場のシルエットが鹿児島だったのを修正したり(※)と、まあいろいろ大変でした。
※去年ミスってましたもんね 笑。→第13回初級・一般戦要項

でもこういう作業は実は大好きだったりするのです。(このブログのデザインも元あったやつからけっこうHTMLとかいじってるんですよ)

まあそれはさておき、解答選手権、チャンピオン戦3/26(日)、初級・一般戦4/8(土)です! ぜひご参加を。

MRIの中で詰将棋を解いた話

今日はちょっと物珍しい話を。

うちの将棋部のつてで、実験協力の通知がありまして、ちょうど暇でしたので、被験者として名乗りを上げました。
詰将棋を用いた脳機能計測。

MRIって、寝っ転がってでっかい円筒の中に入っていくアレです。
実は昔、自転車ですっ転んで頭を打った時に一度だけ入ったことがあるんですけどね 笑。
詰将棋を解いている際に、脳のどの部位が活性化するかをその機械で調べるのだそうです。

東大助教の中谷先生の研究室へ赴き、実験の説明を受けること約1時間。
先行研究、チェス。グランドマスターとアマ強豪がチェスの局面で次の一手を考えるのですが、読みの深さで言えば両者それほど違いはない。明白に異なるのは、グランドマスターは最善手を発見するまでの時間が短いということ。直感が優れていると言えるらしい。
プロとアマの間では、思考方法そのものが違うのか……?

中谷先生は山形出身とのことで、今回は将棋を使おうと。プロ棋士にも協力してもらっているようです。

MRIは強い磁場がかかるため、金属が身体に埋めこまれてないかなどの問診や、実験同意書にサインなどを済ませます。
どうやって問題に解答するかというと、両手のボタンで。
左右それぞれ3つずつのボタンを操作して、盤上のマス、そして駒種を選択して、最終手を入力するのです。
9手詰以内、1問30秒以内で解かなければなりません。

操作方法を覚えたら、大学の地下にあるMRI実験室へ移動。この地下、1年生のときにやっていた物理実験で何回も入ったことはあるのですが、MRIがあるとは知りませんでした。ただの壁かと思うようなところに実はノブがついていて、隠し扉みたいに開くんでびっくりです。

スマホやベルトなど金属類を外して、耳栓をして(撮像時はめっちゃうるさいので)、仰向けになって機械の中へサイナラ~~。
目の前に盤面が表示され、ひたすら解くの繰り返しです。
12題×5セットという 笑。
問題は解けるとすぐさま解答入力画面へ移行することもでき、結果的にセット間の休憩時間が増えます。

詰パラで言えばキッズルーム以下の3手詰もあれば、幼稚園としても難しめな9手詰もありました。
30秒の制限時間では焦る焦る。
解けたのは8割といったところですかね。
ただ、問題は解答の入力。両手のボタンでの操作なのですが、もちろん寝転がっているので見えません。手探りです。
トータル5回は操作ミスで誤答したと思います 笑。入力の取り消しが利かないもので。

5セットをこなし、2時間程度で実験は終了。
自分の脳の3D像を見せてもらうことができましたが、ああーふつうの脳ミソだっていう程度です 笑。

結果はゴールデンウィークらへんに教えてもらえるとのことで、まあ待っておきます。
僕は普段は解図しないので、いくら詰将棋作家といえども将棋部の中ではそこまでいい成績は出せません。
脳内に将棋盤がないのがつらいところで、実戦でも数手先くらいしかイメージできないんですよね。
詰将棋も暗算で解くのは今回やった9手詰くらいが限度です。パラだったら小学校でさえ盤に並べますし。
解けって言われると、まあ詰キストとしての慣れで補いつつ、そして明確な狙いのある作品であれば狙いを先に看破することによって解いてます。いい作者の作品ほど解きやすいってやつです。逆に実戦では頓死ばかりですし。
と、そんなことを中谷先生としゃべってました。
もし詰将棋作家が解図するときに使っている脳の部位が違うとかであればおもしろいですね。

そうそう、実験の前に棋力を書く欄があったのですが、僕は段位を持っていないので(将棋ウォーズでは二段~三段でしたが)、
「詰将棋作ってます」
と書いときました。

構想作家の思考回路

ブログを2週間も放置してしまったので、小ネタを一つ出してお茶を濁しておきます。



自作です。投稿はしていません。
ご覧のとおり、玉方銀の往復が狙いですね。
一応解説しておきますと、65銀消去のための「取らず手筋」が序の4手。意味付けは67封鎖です。
次は44銀を打つための香消去に移りますが、65馬~43馬と往復すればよさそう。43への龍の利きを外すために35角と捨てる手が入りますね。
ただし65馬のためには玉方銀の利きをそらしておく必要があり67桂。さらに香消去の後55玉44銀となったときに56を封鎖するため、44玉型で56桂を打って銀を戻しておきます。
そして最後は、35に龍を移動させたがために44銀を取られてしまい、しかし結果的に44の封鎖に成功。65の利きをもう一度外す67桂となります。
なお、9手目56桂と35角の手順前後をすると、33玉から抜け出されますね。

狙いは明快ですが、ちょっと配置がよくないことと、もう1回くらい銀を動かさないとなあということでお蔵入りしていました。
どうにかならないですかね?と会合でとある若手看寿賞作家に見せたところ。

「35角って必要なんですか?」

と。
さて、この発言の意味をくみとって、それに答えを用意してみてください。

僕は曲がりなりにも作者ですから、すぐに意図するところを理解したわけですが。

もちろん途中で35角、同龍としなければ詰みません。そりゃあ必要でしょうよ、と言いたくなりますが、もちろんそういう意味ではありません。
全体の構成として、35角、同龍の2手を省いた詰将棋にならないか、ということなのです。
狙いは銀の往復ですから、大駒捨てとはいえ余分な手は省きたいというのが構想作家の言い分です。つまり65馬、44玉、56桂、同銀生、43馬、55玉としたほうがストレートな表現になりそうですよね。
さっと見ただけでそれに思考がいくのはさすがだなと思いました。

で、僕はそれを半分ほど予期していて、即答したわけですが、さてこの2手を省けない理由はなんでしょう。
もちろん最後の44銀を捨駒にするため、ではありませんよ。それなら最初から44に玉方駒を利かせておけばいいわけで。

……答えは、「57の利きを消すため」です。
4手目、56同玉としたときに65馬で詰ませるため、57は塞いでおかねばなりません。
いっぽうで作意を追ってみます。銀消去から65馬、44玉で43への龍の利きはないと仮定して43馬、55玉と進んだ場合。44銀、56玉、65馬。ここで57が塞がっていたらこれで詰んでしまうのです。手順中44銀を同◯と取っても65馬で詰みですね。
元の図面では、35角、同龍の2手を挟む必要があるため、57の利きがなくなっています。それがゆえに44玉のときに56桂、同銀生として56を塞いでから、最後にもう1回67桂、同銀成と戻す手順が成立しているわけなんですね。

19-40t.png
(65馬、44玉の局面)

35角、同龍の2手は、龍をそらすという攻方のメインの目的をもたせながら、玉方にとってもプラスになるように調整された手なのです。

もともと僕もこの2手はない方針で作っていましたが、銀の往復を加えるためには57の利きを消さなければならないことに思い至り、想定していた作意手順に追加したものです。
こういう創作技術を、僕は広く「挿入」と呼んでいます。

というわけで、詰将棋作家がどういう視点をもって手順を構成しているのか、という例を説明してみました。
ふんふん、と思っていただければ。
この作品も行き場を見失っていたところを、こういう形で世に出せてよかったです。
なお、こうすればもっと往復回数増やせるじゃん、などの意見がありましたらご遠慮なく。

同人入り記念駒

重ね重ねで申し訳ありませんが、このたび詰パラ12月号で入選100回に到達いたしました。(最年少ですが最短にはあらず)
まあ同人入りしても同人室の投稿権を得るだけなのですがね 笑。

そんな中で、駒師の江仙さん(→ホームページ)と不思議なご縁がありまして、なんと将棋駒をプレゼントして頂けることに。
昔から駒は好きで、NHK将棋講座の裏表紙を眺めるのが楽しみだった僕にとっては、思ってもみない嬉しいことで……。
普段創作はすべて柿木で行っているので、今の住まいには駒は持ってきていないのですが、折りたたみの盤だけはあるのです 笑。まさにぴったりのタイミングでした。盤が駒に負けるという問題はありますが。

詰工房の前に、目黒駅周辺の喫茶店で江仙さんとお話ししまして、駒を渡して頂きました。
とにかく気に入ったので写真もたくさん載せてしまいます。

ginsa1.jpg

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江仙さんはご自身で書体を作られていて、一般に出回っている書体とは一線を画して、カリグラフィー的と言いますか、デザインを起こしたような書体が多いです。ホームページで拝見したときから「銀砂」に一目惚れしまして、今回もそれでお願いしました。

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ginsa4.jpg

盤に並べるとまた映えますね。
この矢倉の陣形図式はこのブログのどこかで見られます 笑。
おまけに素敵な根付も頂きました。

ginsa5.jpg

ginsa6.jpg

江仙さんによればアルファベットを彫るのは漢字よりずっと難しいみたいですね。
制作に関するお話も聞くことができました。

というわけで、唐突な駒のギャラリーでしたが、感謝の気持ちの表現ということで。
同人作家になってよかったと、心から思った出来事でした。
大切に使わせて頂きます。

江仙さんも、15年ぶりくらいに詰将棋を投稿してみたとのこと。短コンで抽選漏れしてしまったらしいですが、またいつか誌上でお名前を見るのを楽しみにしています。

前記事に少し補足とお詫び

将棋連盟を敵に回してみようの記事、コメント欄やTwitterでたくさんの方にレスポンス頂いています。
僕もTwitterでいろいろ書いているのですが、あちらはあくまで非公式の"つぶやき"だと思っているので、こちらで補足とお詫びを書いておきます。

コメント欄、三輪さんを中心に意見があります。もちろんご自由に書き込んで頂けるほうが嬉しいです。問題提起を兼ねた記事だったので、どんな意見・批判でも歓迎します。
ただ、本件に関係のない方を誹謗中傷するのだけはやめてください。それはその方に迷惑がかかるので、ブログの管理者としてコメントを削除しなければなりません。ご自分のTwitterなどでどうぞ。
そして、たとえ僕の意見に同調している方の意見であっても、それを僕の意見、ましてや詰将棋界の総意と捉えるのもおやめください。

何度も書きますが、僕が主張したい部分は"リユース詰将棋"の提案であって、将棋連盟を批判することに焦点をあてているわけでもないし、将棋会そのものを批判するつもりは毛頭ありません。
タイトルを「将棋連盟を敵に回してみよう」にしたのは、記事の話題性を得るためという理由以外はありません。(実際、将棋連盟出題の詰将棋に余詰が多発している事実は多くの方に伝わったので、この点では目標達成です)
ただし、あまりに良識のないタイトルかつ記事の趣旨を倒錯するタイトルであったことに後から気付きました。お詫びします。

そしてもう一つ、タイミングが悪かったこと。現在は裏短コンの作品募集期間で、作品を投稿した、または投稿しようと思っていた方が今回の記事で不快な思いをされ、純粋に企画を楽しめなくなってしまった可能性があります。これに関してはひたすら反省です。
どうかこれに懲りず、裏短コンへの参加をお願いします。企画を成功させるには皆さんのご協力が不可欠ですので……。

将棋連盟を敵に回してみよう

裏短コン作品募集中。11/8(日)が締切。現在9名なのでまだまだ投稿お願いします。


9月あたりから、日本将棋連盟サイトのこのページで詰将棋が懸賞出題されています。
以前Twitterでつぶやいたのですが、その詰将棋のクオリティがアレなので……。とりあえず見て頂ければ分かります。
例えば以下の作品。10月19日出題分の飯野七段。



なんと驚いたことに、4手目の合駒が限定されておりません。そして好手は25桂くらいで、このやる気のない収束も……。

そして次の作品。10月26日出題、瀬戸七段。



手順自体は初手の駒取りを除けば初心者向けとしてはよさげですが、これまた驚いたことに、3手目32銀でバッチリ余詰んでおります。解答発表の際にそれに言及すらされていません。

さらに……現在出題分の中にも余詰作が紛れ込んでいて……。しかも作意より2手長いだけの余詰。これはさすがに今記事に書くわけにはいきませんが。
さらにさらに、桃燈さんからの指摘により、10月19日出題分第2問も簡単な余詰。3週連続で余詰を出しているわけですね。


僕がこれを通して何を言いたいかというと、これは詰将棋にとっての風評被害だということです。

まずこの連盟HPの詰将棋は、指将棋の初心者~中級者を対象として出題しているのは間違いありません。で、そういう層は詰将棋に対する知識が充分ではなく、細かいルールを誤解している場合も多いです(攻方は最短手順でないといけない、攻方は駒を余らせてはいけない、などというパターンを僕は今まで見てきました)。
そういう状態でこういった詰将棋を解くと、誤解を助長してしまう可能性がある!
合駒非限定だって、初心者をむやみに悩ませるだけです。

そして作品レベルに関しても。将棋連盟という、将棋会を代表する組織が出題しているのだから、将棋初心者には詰将棋もこれが水準レベルと思われてしまいます。詰パラのレベルの、奥深い世界に触れることすらなく。
連盟の詰将棋を解いただけで、詰将棋ってこんなものなのか、というイメージを持たれてしまうのです。

上に述べた2つの点は、我々詰将棋界というマイノリティからの身勝手な批判と捉えられるかもしれませんが、さらなる問題点が。
棋士の先生方の印象が落ちてしまうということです。
尊敬に値すべき棋士が、つまらない作品を出題している……中には余詰作まで。「えっ、棋士って、こんな簡単な手順も読めないの?」 そう思われても仕方ありません。
もちろん、棋士は一部を除いて詰将棋作成に関しては初心者です。そこに期待を抱いてはいけない……という意見もあります。しかし、それなら作品を表に出さないでおけばいいだけなのです。ゴースト作家を使う場合もあります。
なぜ、将棋連盟はそんな棋士に詰将棋を出させ、余詰作さえ修正を依頼せずに放置して、名声を落とすようなことをしているのでしょうか。まったく理解に苦しみます。

ちなみに棋士は詰将棋を1作提供すると段位に応じて数万円単位で報酬が出るようです(ソースは詰パラ)。連盟は1週間分の問題を確保するために十数万円の費用がかかっているはずなのですが……。
これがもし、タイトル戦を争うような人気棋士に登場してもらうのだったら、知名度と話題性の向上という目的も見えるのですがね。

苦情ばかり言っていても始まらないので提案を。
まず1つ目は先ほど言ったように、人気棋士の、しかもある程度のレベルの作品を出題することです。その棋士のファンなら解答意欲も増すと思いますし、それによって詰将棋に興味を持ってもらえたら一石二鳥。
別の方法としては、一般募集をかけること。将棋世界の詰将棋サロンみたいな感じです。

で、この記事のメインの目的は、将棋連盟を批判することではなくこちらなのですが……”使い回し”の詰将棋を作る、ということ。
将棋連盟の作品、3手から13手くらいまで、手数はさまざまですが、どれも易しいものです。簡素な形で、初心者向けで、といろいろ条件を加えていったら、手筋なども限られていきますね。特に初心者対象なら、覚えておきたい手筋というものも絞られます。
そこで、例えば詰パラと提携して、数十年前の保育園・幼稚園の作品から出題するのです。作者の同意と作者名の表示さえあれば、ノープロブレムなのではないでしょうか。
先程は”使い回し”とちょっと言葉が悪かったですが、これは作者にとっても、特に話題にならずに忘れ去られていってしまった作品に再び陽の目を当てるチャンスでもあります。”使い捨て”だったものを”リユース”するのです。

これはなにも将棋連盟HPだけに限ったものではありません。例えば新聞や雑誌の詰将棋、指将棋啓蒙書のための詰将棋、などなど、リユース詰将棋の利用価値はたくさんあります。
詰パラのレベルの詰将棋が、手筋のエッセンスが詰まったものだと言えるとしたら。そして右上簡素形好短編の泉が有限だとしたら。中途半端な形で同一作を避けようとして既発表作の劣化を製造し続けるよりも、過去の好作に光を当てたくありませんか。

リユース詰将棋が5000題ほど集まったら、そこにビジネスの可能性さえあるのではないか……、と密かに思ってみたりするのでした。
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my cubeへようこそ。詰将棋のブログです。駒を並べてアートが表現できるって素敵なことじゃありませんか? 詰キストの方もビギナーの方も楽しんでいってください。

管理者:鈴川優希
月刊誌「詰将棋パラダイス」を活動拠点とする詰将棋作家。石川県のド田舎育ちですが、大学進学とともに東京へ。詰工房などの会合に顔を出したり、解答選手権などのイベントを運営したりしてます。詰将棋は小学生の時から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回達成)。半期賞受賞6回。2016年4月より詰パラ連載「ちえのわ雑文集」の世話役に就任。現在、第一作品集を執筆中。出版は今夏を予定していましたが果たして……。

第n回裏短編コンクール
2015年11月に開催した企画で、7手詰を募集して17作を出題しました。45名もの方に解答していただき感謝です。順位発表はニコ生で放送するという新しい試み。

第φ回裏短編コンクール
2016年、裏短コン2回目の開催。9手詰25作出題の大盛況でした。結果稿はいずれもブログ右袖のカテゴリーからどうぞ。

たのしく、うつくしく。
難解? 複雑? そんなものとは無縁な「易しいからこそ楽しい」作品を紹介していく連載です。不定期更新。

解付き出題
自作を解付きで出していた企画で、現在#120をもって休止中。在庫整理の意味合いが強いので質より量です。

今週の詰将棋・
詰将棋ウィークリー

今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答して頂いた方に感謝します。
※81puzzler閉鎖につき詰将棋ウィークリーの記事にはリンク切れが多いです。

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