駒の性能分析 角行

この連載を軽い気持ちで始めてみたら、書くのに結構な体力と時間が必要でした。(笑)
第2回からすでにぐだぐだモードです。

今回は、角。

角は、僕の好きな駒の一つです。
角は派手なイメージがあり、斜めに伸びる利きでまるで瞬間移動するかのようです。
指将棋でも、角の利きが大事で、僕は角を最大限に使う戦法が大好きです。相手の駒組を牽制したり、王手飛車を含みに玉の小ビンを攻めるのはどこか気持ちがいいですよね。でも、敵陣に成りこんだ後の攻め込みが、僕はちょっと苦手です。

それは、詰将棋でも同じで、斜めの利きを活かした筋がたくさん出てきますよね。例えば2二の玉に対して3一角と打ち、同玉、3二金迄の筋はとてもたくさん使われています。1三へ逃がさないために、足の長い角の登場となるわけですね。
スリリングな詰上りを狙う詰将棋では、角の協力は絶対に必要とも言えると思います。縦、横の利きは良く見えるのですが、斜めの利きは気付きにくいです。特に角の透かし詰などは、「あれ、これで詰んでるの?」なんていう疑問が生まれてくる程です。

kaku1.gif

詰パラ2010年5月号 中学校
おおた葉一郎さん作
3八銀、同玉、4七角、3七玉、3六飛、4七玉、6九角、5七玉、5八飛、4七玉、5六飛上迄11手。

この作品の詰上りはアクロバティックな感じで、角ならではの筋です。
角は開王手でも個性を表すことができます。
角は、派手さの他に、クールさも持ち合わせています。背後からスーッと、日本刀のように切りかかる王手が、詰将棋における角のかっこいい点だと思います。

角を打つ時は、短打、一間空けてなど、さまざまありますが、遠打もしばしば見かけますよね。その意味づけとしては、成るため、質駒を取るためなどが挙げられます。飛車は、何といっても強力なので、印象として「どこから打っても詰みそう」なんてものがありますが、角は離せば離すほど力が弱まって行きそうで、そのため遠打が作意の場合は印象に残るのでしょうね。

古作で、角の遠打といえば、僕は次の作品が思い当たります。

kaku2.gif

将棋図巧 第59番
14手進めた局面
9四角、同歩以下15手。(合計29手)

9四角が、後から9三角を打つための伏線手?となっている、素晴らしい作品だと思います。背後から、鋭い狙いを持った王手。これが、角の持つ魅力ではないでしょうか。

まとめ
・角は、派手で、クールな駒。
・さりげない王手で、実は玉が捕まっている、という演出が似合う。

では最後に、角の利きで玉を捕まえる面白い作品を。

kaku3.gif

詰パラ1991年7月号 中学校
宗岡博之さん作
3三銀、3四玉、3五銀、同桂、1六角、4五玉、5四銀、同玉、4三角成、同玉、4四金迄11手。


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管理者:鈴川優希
月刊誌「詰将棋パラダイス」を活動拠点とする詰将棋作家。石川県のド田舎育ちですが、大学進学とともに東京へ。詰工房などの会合に顔を出したり、解答選手権などのイベントを運営したりしてます。詰将棋は小学生の時から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回達成)。半期賞受賞6回。2016年4月より詰パラ連載「ちえのわ雑文集」の世話役に就任。現在、第一作品集を執筆中。出版は今夏を予定していましたが果たして……。

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今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答して頂いた方に感謝します。
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