吉村達也さんの本 2・3冊目

ブログのネタがあまりないので、今日は書評を書こうかと思います。
以前この記事で、詰将棋作家で小説家の吉村達也さんの本を、1冊紹介しました。吉村さんは多作家で、100冊ほど本を出版されています。そこでもう2冊、読了した本を、紹介といきます。

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「金閣寺の惨劇」と「銀閣寺の惨劇」。
本の裏表紙を見ると、
「『金』から読むか? 『銀』から読むか? 2冊読み終えたときに、初めて第2の真相が浮かび上がる《双方向多重構造》ミステリー!」
という、なんとも面白そうな予感がいます。

以後、若干のネタばれ注意!


「金閣寺の惨劇」
金閣寺で金色に染められた死体が発見される、という事件を、吉村さんの持ちキャラ、朝比奈耕作が解決に臨む、という話です。犯人は初めのほうでほぼ明確になるので、あとはアリバイ崩しという構成で、また、章ごとに交互に犯人の生い立ちの過去のシーンが描かれています。
トリックもだいたい途中で予測がつくように書かれていて、無事解決といくかと思いきや、ラストで思いもしない容疑者が浮上して……。

過去の場面は、暗い話で、家族が崩れていく様子がとてもリアルでした。そして、「黒い金閣寺」という謎のキーワードとトリックとの絡みも、面白かったです。


「銀閣寺の惨劇」
ロサンゼルスで起こった密室殺人事件が主となります。こちらも銀閣寺で銀色の殺人が行われるのですが、それはあくまでもおまけという感じでした。
今回は意外なトリックが核となりますが、犯人もとても意外でした。

弱点は、肝心のトリックが破綻していることです。また、犯人の行動もチグハグな面が多いので、事件の真相が分かっても、なんだか納得できませんでした。


そして、2冊合わせてのどんでん返し、となります。ここはとても素晴らしい仕組みとなっていて、思わず拍手をしたくなりました。途中で使われている伏線や叙述トリックが、うまいことカモフラージュされていて、その回収はお見事でした。
「金・銀どちらから読んでもどんでん返しが起こる」という言葉には偽りなしですが、これは「金」から読むほうが良いと思います。「銀」のトリックに、「金」の内容が若干絡んでくるのです。


最後に、どちらの作品にも将棋が少しだけ登場したのがなんだか嬉しかった、と言って締めておきますか。


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面白そうですね、「金」と「銀」ですか、吉村さんのなら読みたくなりましたね。あやうく「ネタ」ばれ以下を読みそうになってしまった。こういう手法は本当に作家の手腕を問われますね。私の場合は、ちょっと古いですが、清涼院流水さんの「ジョーカー」「コズミック」の4刊ものなど、「なるほど、そうか!」と最後に声が出そうになったことがありました。構成の妙味を味わえたシリーズでした。詰将棋作家の方の中にも手筋や狙いをシリーズされている方が多く、その壮大な構想力に驚かされる。 by市橋

清涼院流水さん……今まで知りませんでしたが、読んでみたいなあ。
吉村さんの本は、謎解きを主体にした話が多くて、一気に読んでしまいますよ。
まるで詰将棋の構想作みたいな感じなんですかね。
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管理者:鈴川優希
月刊誌「詰将棋パラダイス」を活動拠点とする詰将棋作家。石川県のド田舎育ちですが、大学進学とともに東京へ。詰工房などの会合に顔を出したり、解答選手権などのイベントを運営したりしてます。詰将棋は小学生の時から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回達成)。半期賞受賞6回。2016年4月より詰パラ連載「ちえのわ雑文集」の世話役に就任。現在、第一作品集を執筆中。出版は今夏を予定していましたが果たして……。

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今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答して頂いた方に感謝します。
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