詰将棋ウィークリー#13 解答

★ちょっと遅れましたが、#13の解答発表です。
☆解説の宮原です。今回もよろしくです!
★よろしくお願いします。







☆下辺からいくつものヤリが出ている、手のつけやすい初形。まずは2段になっているヤリのふたを取りたいところ。ここは第一感の86銀です。
☆これに対しての応手が本作の狙い。調べていきましょう。

☆単純に84玉と逃げると64飛~85歩で11手駒余らず。しかし何かしっくりきません。
☆75桂としても数ではこっちが勝っているので単純に取って詰み。歩合ならば同香、同と、同香、84玉で7筋の香が一つ消える上に打歩詰となるので詰みませんが、これは72歩があるので利きません。
☆おや、ということは84玉~64飛が正解?…ところがこれが実は不正解。どこに見落としがあったのでしょう。
☆そう、歩合が利かなくても無理やり歩を合してやればよい、ということで2手目75と!!が玉方の隠された妙手!その意図はこれを同香ととって85玉と逃げたとき、52角を利かせて打歩詰を打開するために2手目単に84玉と逃げたときと同じ、64飛の1手が必要となります。そしてその「84飛」が2手目84玉では3手目に当りますが、75とと捨合をしたときは5手目に当る、つまりなんとこの75とで手数が2手伸びてしまったわけです!!

☆なぜこんな意味不明の1手が成立するのでしょう?その理由を解説していきます。
☆実は「2手目84玉と逃げたときの64飛」という手は「歩を取るため」と「角道を通して打歩詰を打開する」という点で、意味付けがダブっていたわけです。なので2手目84玉の局面で、64とがなくても52角がなくても64飛では詰まなくなっているんですね。
☆ならばこの意味付けがダブっている手を2つにバラしてしまえば2手伸びるのではないか、ということで成立するのがこの「75と」の1手になるのです。
☆これで2手目75と~3手目75同香は歩を取るため、5手目64飛は角道を通すため、というように見事に意味付けを分けることに成功しました!!
☆後は利きを通した角に歩を取ってもらって、その角をパクってからシンプルに収束となるわけです。

☆摩訶不思議の詰将棋ワールド、これが例え実践には全く役の立たない規約上の1手といえど、指将棋にはない詰将棋の醍醐味の1手だと思います。

☆ただ、いわゆる「ヤケクソ手筋」である75と、さすがに詰キストには一目で余り新鮮味を感じられなかったようなので、評価は伸びませんでした。鈴川さんは、こういう僕が作る作品のような一発屋みたいな作品より、全体的な完成度が物凄く高く巧さ爆発の作品が合っていると思いますよ。^^
★まあ、たまにはいいかと。「別の狙いがあってその途中にさりげなくヤケクソ合」といった表現が良いのでしょうね。

☆また、本作の75とは単なる「ヤケクソ中合」ではなく、直接玉に触れているところに移動する「ヤケクソ捨合」になっています。一見同じように見えますが、実はこの「ヤケクソ捨合」の方が若干創作が困難な狙いです。理由は様々でややこしいのですが、こちらの方がもちろん希少価値が高いですし、これだけシンプルに表現できたところはさすがと思いました!
★作例の数でこの詰将棋の価値が決まりますね。

★それではコメント返信です。(敬称略、順不同)

かめぞうさん 「出たぁヤケクソ中合!!(でいいのかな)」

★実際には捨合ですが、中合という呼び名が浸透していますからね。

EOG 「歩が打てないので、こうするしかないかと……」

★と金→歩の性質を用いた構想も作れそうですね。「金先金と」とか。

やまかん 「普通のとき?の場合の飛車捨ては歩を取るためと角道をあけるための一石二鳥の役割。と金を捨てた場合の飛車捨ては角道をあけるためだけになったのですね。無駄合っぽくて手数を伸ばしたとは冷静にならないと
わからないね。玉方の珍妙手といえる。なぜならそうされても普通に詰むから妙手とはいえないか^^」

★確かに、実質の手順は変わりませんから、妙手ではないかもです。むしろ、先手の64飛を妙手化させるための協力手に思えます。

コモン 「打歩打開の74飛」

★あらかじめ角を52へ誘っておく伏線手なんかがあれば一級品でしょうか。

小野寺 「どこらへんがおにゅ~なん?」

★ヤケクソ捨合の作例がなければ、おにゅーの手筋ですけれどね。

変寝夢 「おっとこんな所にリクエストが……。お二方で示し合わせていたのなら相当な役者さんですね。(笑) もちろんお気に入りは、との移動合です。
残念ながら新手筋と思われるところは見つけることができませんでした。でも、原理図としてはなかなか面白かったですよ。収束は気にしなくていいと思います、メインはそこじゃないでしょうから。次は何を頼もうかな~」

★宮原さんが「ヤケクソ中合を作れませんでした」って前回の出題で言っていたので、ならば鈴川が作ってみせようと。(笑)
☆難しい狙いを分かりやすく表現したところに、本作の価値がありますね!

こじはる 「2手目が、所謂「やけくそ移動合」(もっといいネーミングにしたいですね)(;゚Д゚)! 類例はありますが、数は少ない合駒ですね。13手なので、順位戦に出したら、犠牲者が続出するでしょう」

★作例をご存知でしたら、お教えください。

後藤満 「打歩詰を打開する64飛も心地よい一着ですが、と金の移動合がチョット洒落ていると思います」

☆お洒落な1手ランキングではTOP5にはいるでしょうね!
★2手目84玉と逃げた時は64飛は面白くもない手ですが、移動合によって飛捨てに少し妙手感が付加された?

名無し名人 「これはヤケクソ中合の一種ですね。鈴川さんとしては異色の作品という感じがします。どちらかというと宮原さんの作風に近い感じ」

☆僕の場合もっと配置をごちゃっとさせて、無理やり手順の見せ所を増やします。(^^;
★僕も中合は好きなので、これからも出題していきますよ。

さわやか風太郎 「こんなにあっさり詰むとは。多分間違っている。移動合で2手伸びただけかな。角を取らずに詰ませたかった」

★ちょっとあっさり過ぎましたかね。

蛇塚の坂本 「7五と6四飛の筋が、いかにも洒落た粋な筋」

★お、ここにも「洒落た」という言葉が。

三輪勝昭 「単に狙いを実現しただけの図ですが、それはよしとしましょう。75との意味は単に84玉と逃げても取られる駒でそれを動く取られるで2手稼ぐと言う手。僕はこの手は規約上成り立っているだけの手で何の価値もないと思っています。と言うか見たくない手のひとつです。誤解狙いとしては面白いでしょう。それも一回限り。
僕がこの手を初めて見たのは20年以上前。作者はハッキリ覚えていなくて佐々木さんだったかな(違っていたらゴメンナサイ)? 23玉、84龍のような形で83飛に73龍、同飛(生だったかも)、玉上がる、74飛の手順だった覚えがあります。僕は解答を出していませんが、当時かなり誤解者が出ました。僕は当時から規約上あり得るだけで妙手ではないなと感じていました。非常に印象に残っていて、嫌いな手なのでこの手にはひかからないよう心がけていますね」

★嫌いな手であっても、印象に残っているのなら作り手としては嬉しいかも。(マゾ体質か?)
佐々木さんの作品についてはメールで教えてもらっています。別の記事で紹介したいと思っています。


正解者:かめぞうさん、EOG、やまかん、コモン、小野寺、変寝夢、こじはる、後藤満、名無し名人、さわやか風太郎、蛇塚の坂本、三輪勝昭 以上12名

☆それでは以上となります。ありがとうございました。m(_ _)m
★ありがとうございました。

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追加コメント

”ヤケクソ〇〇”というのは誤解されやすいワーディングではないでしょうか?
代わるべき適切な語句が見つかりませんが…。
切負ルールでの形振りかまわぬ延命手(時間を稼ぐ無駄合の連続)に比べれば、余程品があるように思います。少し意味が違うかもしれませんが、本作の狙いを”SENSE OF NONSENSE とでも表現しておきます。

後藤さんのネーミングが HIGH SENSE !
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管理者:鈴川優希
月刊誌「詰将棋パラダイス」を活動拠点とする詰将棋作家。石川県のド田舎育ちですが、大学進学とともに東京へ。詰工房などの会合に顔を出したり、解答選手権などのイベントを運営したりしてます。詰将棋は小学生の時から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回達成)。半期賞受賞6回。2016年4月より詰パラ連載「ちえのわ雑文集」の世話役に就任。現在、第一作品集を執筆中。出版は今夏を予定していましたが果たして……。

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今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答して頂いた方に感謝します。
※81puzzler閉鎖につき詰将棋ウィークリーの記事にはリンク切れが多いです。

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