詰将棋パラダイス2013年9月号
大学院 第2番
「塞翁馬」
誤解3 無解0
A14 B4 C0
平均2.77
解説で言いたいことは全て出尽くしているので、ちょっとした裏話を。
桂馬の3連続合の部分が創作出発点なのだが、似た構造の作品がある。王将天狗第29号、昭和42年6月発表の、山本勝士氏作だ(上のフラ盤で再生可能)。連続合の意味付けが殆ど同じで、これはお蔵入りかと思ったが、山本氏の作品は、収束が余りにも重いことが気になった。そこで、4桂をもらったならば、それを全て捨て去る収束が相応しいだろうと思い、正算の苦労が始まる。結果として、84香の配置と、46歩・57歩という苦心の二歩禁利用で、なんとか4桂を捨てることに成功した。
次に、テーマから考えて、序は4桂消去を付けるべきだろうと思い、逆算の苦労が始まった。4桂消去だけなら案外簡単に入る。一旦はそのまま投稿してしまったのだが、もう少し試行錯誤してみると、歩の捌きも交えた煙詰風の序になった。ちなみに、還元玉案は難解な余詰があって断念。
「塞翁馬」というピッタリなネーミングも思い付き、めでたくこうして発表に至った。