詰将棋ウィークリー#100 解答

出題編はこちら

☆記念すべきウィークリー#100の解説を引き受けることになった、咲花です。よろしくお願いします。
★最終回に再登場してもらいました。

☆さて、覚えている方も居られると思うが、実は私はこのウィークリーの#50まで、偶数番の出題を隔週で担当していた。詰将棋ウィークリー第1回出題は、実に2年前のこと。私がちょうど詰パラで初入選をした頃、同い年なのにネットに本誌にと多方面で活躍されていた鈴川さんに憧れ、無謀にも自分も毎週出題をしようと試みた。当時、既に終わってはいたが、鈴川さんのブログで「今週の詰将棋」というものがあり、それに倣おうとしたのだ。そのことについて鈴川さんに了承を取ろうとメールでやりとりした結果、二人で隔週で出題していこうという形になった。実績も何もなかった私との連携出題を提案、快諾して下さった鈴川さんには、今でも感謝している。私のインターネットへの進出、ひいては詰将棋の本格的な創作は、あそこから始まったと言っても過言ではないのだから。
★そういえばそうでした。ちょうど僕も高校受験が終わったので、出題を再開しようと思っていた時に、咲花さんからメールをもらったので、あ、それじゃあ一緒にやりましょうよ、と提案しました。お互いに解説を書き合うのは面白かったですね。

☆結局、ウィークリー#50、私の側では25回出題したところで私が音を上げ、以降は鈴川さんが一人で出題をすることになった。元からとんでもないズボラな性格に、詰棋校の担当という激務が加わり、にっちもさっちもいかなくなってしまったのだ。どころか、出題開始から半年も経たぬうちに自作の底はつき、出題は遅れ、解説は遅れ、と鈴川さんに迷惑を掛けっぱなしだった。今でこそこうして思い出話のように語れるが、当時の状況が如何に酷いものだったかは容易に想像できるだろう。
☆そんな自分のせいでフラフラと続いた詰将棋ウィークリーも、50回以降は重荷が降りて順調に進み、今回ついに100回出題を迎えることとなった。詰将棋ウィークリーに少しでも関わった人間として、「my cube」読者を代表して祝福したい。おめでとうございます、鈴川さん。
★ありがとうございます。
★今では咲花さんは作品投稿やブログ更新が面倒くさいと言って、作品を見られる機会が少なくなりそうですね。たまった在庫をいつかブログで公開してくれたら嬉しいなあ、と思っていたり。

☆さて、それでは作品の解説に入る。今回の作品のコンセプトは「易しく楽しい作品」であるので、そこを理解してお読みいただきたい。



☆いきなりの打歩詰局面である。と金や飛車2枚の配置などから、どうやら47と以下清算をするしかなさそうだ。47にと金をスッと滑らせるが、この時注意していただきたいのが玉方の応手。同歩成、と駒を裏返した時点で38歩が成立してしまう。とにかく38には駒を利かせないようにするのが、玉方の精一杯の抵抗だ。
☆47と、同歩生、同飛、同桂生、同龍、同香生、と3種の駒が同一地点で、3連続で不成の着手となる。ここが本作の第一趣向だ。悩みどころの全くない手順だが、だからこそ取って取っての心地よいリズムが楽しめるだろう。このテンポの良さが本作の売りでもある。当然だが、同歩生のところ先に同桂生は同飛、同歩生、29桂以下早い。手順前後は不成立である。
★ただ清算するだけなのに楽しく感じられるのがウリです。

☆桂をパクって29桂と打ち付ける。ここで4種4枚目、角の不成が飛び出すが、すぐには意味づけがわからない。とりあえず進めるとしよう。
☆38歩、同角生、26銀、36玉としたところで、不成の意味が判明する。ここで38が馬ならば、すぐに37歩と打つことが出来るのだ。実にシンプルで明快な仕組みだ。
★ここまで玉方5連続不成。僕が知っている限りではタイ記録なのですが、6連続以上をご存知の方は教えてください。

☆そしてここから本作の第二趣向が始まる。「銀捨て、同桂、歩打ち、同桂、銀上がり」と軽い打歩打開が二回行われる。これも第一趣向同様、考えどころはないが、手順の楽しさと軽快なリズムは決して損なわれていない。
★銀歩送りと知っていればなおさら瞬殺です。

☆本作は最初から最後まで、悩むことなく一定のリズムで趣向が楽しめる、一種の趣向作と言って良いだろう。易しさと楽しさを一作で極めるならばこうなるのか、と教えられた気分になった。
★駒数多いために敬遠されることだけが心配でしたが、杞憂に終わりました。

☆鈴川さん本来の作風、創作力を遺憾なく発揮した、ウィークリーの最後を飾るに相応しい一局であった。
☆これからも本誌、ネットでのご活躍を期待しております。ありがとうございました。
★ありがとうございました。今後も解付き出題をお楽しみに。

★それではコメント返信です。(順不同、敬称略)

蘇鉄の木 「久しぶりに趣向詰を見た。不成7回、ならず者にならないように頑張ってください!祝100回」

★攻方もさりげなく銀不成がはいって、合計7回でした。

さわやか風太郎 「不成のオンパレードですね」

★このゴツい初形が、不成のオンパレードの一言で片付けられるのも、易しさの証明だと思います。

小野寺 「五連不成とは実に楽しい。ひとまず一服してくださいな」

★解付き出題は自動更新なので、もう今後は出題に追われません。(笑)

三輪勝昭 「易しいのは事実ですが、過去最大に易しいは誇大広告なので訴える事にしました(笑)。暗算で変化を全て詰むのを確認するのは大変です。出題方式は今回でとりあえず最終回と言うだけで、作品は見れると解釈しています」

★不成のところを成る変化がたくさんあるので、読もうと思うと大変。もし誤解狙いなら、どれか1回だけが成限定とか。

冬眠蛙 「よくある筋ですが、序奏の付け方はなかなかセンスがいいですね。一旦中断ですか。お疲れ様でした」

★実は序奏が先で、清算で銀歩送りに持っていったのでした。

秀和歌 「受験間近だけど鈴川ファンとしては解答送らない訳にはいかない。(笑)100回おめでとうございます。鈴川作品の最大の特徴は、手順の視覚的なおもしろさ美しさにあると個人的には思っています。誤解を覚悟して言うならば、楽しさを追求するために手段を選ばない。本作、表現のしかたはかなり露骨に見える。でも手順のおもしろさで十分好作だと思います。(個人的に好みというのもありますが)今後の発表作も期待しています」

★「楽しさを追求するために手段を選ばない」っていいですねぇ。今後の座右の銘にしようかな。

蛇塚の坂本 「イヤーこれ程不成の連続が続くとは、面白い。2七の銀が、2四まで上がっていくのも面白い」

★頑張ればもう1回くらい連続できそうですが、やっぱり易しいことが一番ですよね。

Kanta-Nakahara 「ここまで玉方の不成が出てきたのは初めて見ました。攻方も銀の不成が入って良いアクセントになっています。次回は、「▲同飛不成、▽同桂不成、▲同銀不成、▽同香不成…」とどこまで不成が続くか挑戦されてはいかがでしょうか(?)。ウィークリー100回達成おめでとうございます。これからも応援しています」

★2回目の解答ですね。ありがとうございます。双方合わせた連続不成の最高記録は7回ということで、これは理論的にもほとんど限界かな……と思います。

ふく 「打歩詰誘導のため、応手に不成が連続する作品ですが、8、10手目の同角、16手目の同桂が成でも不成でも同手数で詰むのが気になります。成ると余詰が発生するので作意は不成なんでしょうけど…。応手の非限定ですし不完全作ではないものの、自分としてはあまり好きになれないです」

★非限定ではなく、成るとすぐに歩が打てて駒余りで詰むので、規約的にも感覚的にも割り切れていると思います。無駄に銀を捨てる手を入れて同手数で解答すると、詰パラでは変別で誤解扱いになってしまうので気を付けてください。まあもしこれが非限定だとしたら、今まで数々作られてきた玉方不成がほとんど成立しなくなってしまうので……。


解答者:蘇鉄の木、さわやか風太郎、小野寺、三輪勝昭、冬眠蛙、秀和歌、蛇塚の坂本、Kanta-Nakahara、ふく 以上9名

★これにて詰将棋ウィークリーは完結です。皆さん、今までありがとうございました。

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No title

5連続ナラズ、いいですね。
しかしならば6連続、7連続と欲張りたくなるところ。49桂、同飛ナラズとか入らないかな?

No title

入りそうですよねー。でも飛車は使ってしまっているので、ちょっと工夫が必要です。
ただ、あんまりやりすぎると易しさが減りそうで。

No title

誤解を覚悟して・・・という表現にしたのは、「形にもちゃんと気を遣ってるわアホ」と言われるかもと思ったからです。一応、伝えたいことを受け取っていただけたかとは思いますが、座右の銘とまで言われるとは。

ところで、最近あちこちで鈴宮武3氏を「期待の若手」と表現されていますよね。僕は違和感を感じます。「若きトップアーティスト」が正しいはず。だって量、質ともに下手なベテランより断然上だと思うのですが。立ち位置としては将棋界で言う豊島七段みたいな?

No title

僕が詰将棋を作る理由としては、「解答者(もしくは鑑賞者)に楽しんでもらうこと」と「自己満足」の2つが挙げられます。とは言っても後者も言い換えれば自分が楽しむためなので、やっぱりそういうことになります。
形も楽しさの内だと思いますし。
そして、僕は楽しい作をたくさん発表していきたいです。
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my cubeへようこそ。詰将棋のブログです。駒を並べてアートが表現できるって素敵なことじゃありませんか? 詰キストの方もビギナーの方も楽しんでいってください。

管理者:鈴川優希
月刊誌「詰将棋パラダイス」を活動拠点とする詰将棋作家。石川県のド田舎育ちですが、進学とともに東京へ。現在、20歳学生。詰工房などの会合へしばしば顔を出します。詰将棋は小学生の時から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回達成)。半期賞受賞6回。2016年4月より詰パラ連載「ちえのわ雑文集」の世話役に就任。現在、第一作品集を執筆中。出版は今夏を予定していましたが果たして……。

第n回裏短編コンクール
2015年11月に開催した企画で、7手詰を募集して17作を出題しました。45名もの方に解答していただき感謝です。順位発表はニコ生で放送するという新しい試み。

第φ回裏短編コンクール
2016年、裏短コン2回目の開催。9手詰25作出題の大盛況でした。結果稿はいずれもブログカテゴリーからどうぞ。

たのしく、うつくしく。
難解? 複雑? そんなものとは無縁な「易しいからこそ楽しい」作品を紹介していく連載です。不定期更新。

解付き出題
自作を解付きで出していた企画で、現在#120をもって休止中。在庫整理の意味合いが強いので質より量かも?

今週の詰将棋・
詰将棋ウィークリー

今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答して頂いた方に感謝します。

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