詰パラ 入選69回 短期大学

詰将棋パラダイス2014年9月号
短期大学

入選69回
加賀市 鈴川優希



誤20 無8
A17 B6 C1
平均2.66

☆この配置・この持駒ではいわゆる「好手」がないのは仕方ないところで、逆にそれで作品に仕上げてしまうところが見事だ。
水○修―すごくやりずらかったです。コツを掴むまでに時間がかかりました。



問題作。たぶん実際に読んだ解答者にしか伝わらないというか。しかし一目解きたくないですよね。
投稿用紙に書いた文章をそのまま引っ張ってきたので、思考の過程をトレースしてみてください。

茫洋として持駒の歩香だけでは捕まるかどうか不安ですが、変化紛れ共に多いので、闇雲に攻めるよりも目標を立てて逆算的に解くのがいいと思います。もし玉が24にいれば、香打で詰ますことができそうです。

そこでどうにかして玉を23まで引きずり出し、24香と打つことを目標にします。対して1筋に逃げられた時、香2枚+歩数枚を持っていることが、詰むための絶対条件です(歩は合駒で稼げるので、とりあえず思考から除外します)。また、12や13に攻方歩があると、14玉の時に歩が打てなくなるので、さらに厳しくなります。

次に、23へ寄せるための手段ですが、22玉型で持駒に香が4枚あれば、29香、23合、同香成、同玉で持駒に香が3枚残っているので絶対に詰みます。よって、初手22歩に同玉の心配はありません。問題は、22玉型で持駒が香3枚の時です。23歩と代用すると、21玉と逃げられ、22香とここで使わされるようでは、見込みが薄いです。つまり、1筋に攻駒の配置がない状態では、23歩は不成立。したがって初手29香、22歩合、同香成、同玉は逃れます。

以上より、初手は22歩。対して12玉は13歩以下、さすがに持駒の四香が物を言って詰むので、11玉です。ここで12歩か19香か。結論から言うと、12歩は22玉と逃げられ、この後1筋に逃げる変化が常にあるので、12歩がお荷物になって二歩禁で逃れます。よって3手目は19香(実際は14以遠で可)。12合は31龍で詰むので、13歩合、同香生、22玉として脱出を目指します。

ここで29香は、23歩合、同香成、同玉で残り香が2枚では無理なので、23歩と温存します。玉方は13玉しかありません。ここで19香が有力そうですが、14歩合、同香、同玉、15歩、23玉でやはり持駒香不足です。したがって14歩と温存しますが、玉方はどうしても香を使わせるために12玉と逃げるので、13香の重ね打ちが要求されます。代わりに22歩成で詰みそうですが、同玉、29香、23歩合、同香成、同玉で持駒香2枚、温存の24歩に12玉が唯一の逃げ場所で、13香、21玉で届きません。

本手順14歩~13香の重ね打ちならば、23玉の時点で持駒香2であっても、12に逃げられなくなっているため、24歩が成立します。14玉とかわしますが、またもや温存して15歩~14香の重ね打ちが決め手になって、詰ませることができます。

部分的には重ね打ちがメインですが、全体に漂うパズルのような雰囲気が狙いです。が、人によっては変化が煩雑なだけの駄作と感じるかも知れません。

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駒打ちのリズム

僕はこの作品は解いてないので正当な評価は出来ないのですが、盤に並べるとリズム感が気持ちいい作品で僕は大が付くくらい好きです。
解いたとすると変化は煩わしく感じたでしょう。
このタイプは直ぐ詰む変化が沢山あるのが理想で、違いが分かり難い長い変化は最悪かなと思います。
どちらかと言うと最悪寄りの嫌な変化の作品で、もっとスッキリ出来るのならそうした事でしょう。

No title

コメントありがとうございます。
まあ確かに解答者にとって楽しめるかどうかは微妙ですよね……。歩香重ね打ちのあたりまでたどり着ければ面白く感じてもらえるかもしれませんが。
実際、解説を書くにしても、いちいち変化が分岐するのでやってられないんですよね。なのでちょっと逆算風の解説にしてみました。
ちなみに、創作もだいたい逆算で行いました。
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管理者:鈴川優希
月刊誌「詰将棋パラダイス」を活動拠点とする詰将棋作家。石川県のド田舎育ちですが、大学進学とともに東京へ。詰工房などの会合に顔を出したり、解答選手権などのイベントを運営したりしてます。詰将棋は小学生の時から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回達成)。半期賞受賞6回。2016年4月より詰パラ連載「ちえのわ雑文集」の世話役に就任。現在、第一作品集を執筆中。出版は今夏を予定していましたが果たして……。

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今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答して頂いた方に感謝します。
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