パラ2014年11月号小学校改作

こちらの改作図を上げておきます。



創作過程を少し。
まずこの5手目を実現させたいと思ったのがスタートでした。玉で取ったら両王手、銀で取ったら透かし詰で気持ちいいと思います。
原図は下段にあったので、銀の成生が絡んできます。しかしこれを限定するのはさすがに無理。ということは、透かし詰のほうを作意にできなくなりました。

ちなみに僕は成生の限定はかなり気にする部類だと思います。世の中、不成を狙いにした作品がたくさんあるので、成も限定でなければおかしいのではないか、と思ったのがきっかけです。しかし飛車や角まで成限定で作ろうとするとなかなか難しいので、ある程度は認めます。しかし非限定だと確実に自己評価は下がりますね。
そこで問題は銀、桂、香の成生。まず銀ですが、これは実戦でもよく不成を指すように、成と生は等価だというイメージです。すなわち銀成と銀生は別の手とみなして、攻方でどちらでも詰むのはほとんど余詰に近いとさえ思うこともあります。逆に、成限定、生限定、どちらでも評価は同じくらい高くなります。
桂馬で成生非限定は、攻方なら開王手のときしかありませんが、これは必ず限定しなければならないところ。玉方の手でも、何かを犠牲にしてでもできるだけ限定したいところです。
香車は特別で、非限定は往々にして合駒を取る場合ですが、これは仕方ないかなと。まあ中には自作にこんなのもあるわけですが。

とにもかくにも、本作ではこの成生非限定は致命的です。そこで同玉のほうを作意にしなければと思いました。
その後三輪さんから改作案をもらって、同銀のほうを作意にすれば、うまくいくことに気付きました。上の図でいうと43歩を置けるのが大きくて、これで多くの余詰を消すことができます。そしてこの場合、同玉は43角成で駒余りとなります。
そしてこうやって中段に平行移動すると、銀の成生非限定がなくなるのがいいところです。これで堂々とこちらを作意にできます。

実は創作している時も中段の案は考えたわけですが、その時は43歩を置くことに思い至らず、同玉を作意にすると最終手43角成が成生非限定になってしまいます。さっき角の場合は許容範囲と書きましたが、この場合は違います。なぜなら両王手の締めは全体のなかでも龍捨に続く決め手として大きな目玉の部分だからです。これが非限定では本末転倒。
しかし43歩を置いて変化にしてしまえば、それが解消されるんですよね。

もう一つ。原図を見ると、初手の重い角打、3手目、そして主眼の龍捨、透かし詰という構成になっているわけですが、どうも3手目がヌルい。それを限定するためだけの14歩配置も情けないです。ちなみに以遠打もある程度気にします。この場合、詰上りに残るので限定は絶対です。
そういうところを解消したのが、上の改作図で、取れない捨駒というかっこいい手に昇格しました。同とは14飛以下ぴったり駒余りで割り切れています。

初形を見てみても、駒数が1枚減って、配置の空間のバランスもいい感じです。そして手順を並べれば、全ての駒の意味付けがすっとわかるようになっています。(例のごとく、自陣と金は気にしないどころか積極的に置きます)
ここまできれいに改作できたのは久し振りで、気持ちいですね。三輪さんに感謝です。

自分の過去作を見てみると、改作したいものはいくつもあって、いずれ取り組んでいきたいです。そうですねー、自分の作品集を作ることになったら、です。まだまだ先の話で、なんにも考えていませんが、いずれ出したいです。あ、タイトルだけは密かに決まっています。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

成不成非限定

僕も成不成非限定は気にします。
多分、鈴川君と同じくらい。
成った駒は元の性質とは違うのですから、別の手に近いと思います。

僕は創作時には成不成非限定は徹底的に非限定にならないよう考えます。
でも、成れば取る一手のような時で限定が無理と判断したら、コロッと寝返って気にしない派になります。
状況によって気になる度合いはかなり変わると言えます。

最後同玉限定の作意で43角成不成非限定だったらどうか?
それは論外でしょうね。
そうしかならない素材なら、その時点で捨てるくらい話にならない。

自陣と金は大いに支持します。
奨励したいです。
僕には自陣と金が悪い理由が分からない。
実戦ではあり得ないから?
詰将棋って、実戦にあり得ない手順を創るもの。
実戦にあり得えない形にして悪い理由が分からない。
実戦にいかにもありそうな形には、付加価値があるとしても良いけど、実戦にあり得ない形にマイナスはない。
と考えています。
今後は自陣のと金は全くマイナス評価されないようになって欲しいし、そうなって行くと思っていますが、そうなったら鈴川君の功績が大いにあると思います。
まあ、大いにと書くとなんだから、ちょっとだけに訂正します(笑)。

No title

ほとんど考え方が同じですね。
特に自陣と金に関してはそう考える人がどんどん増えていくと予想しています。

そういえば、今月のパラの表紙解答で、「生限定にしたい」みたいな短評を書いていたことを思い出しました。
まあ結局、非限定だと解答者の期待を少なからず裏切ってしまう面もあるので、できるだけ限定したいところですよね。
カレンダー(月別)
04 ≪│2017/05│≫ 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
FC2カウンター
About
my cubeへようこそ。詰将棋のブログです。駒を並べてアートが表現できるって素敵なことじゃありませんか? 詰キストの方もビギナーの方も楽しんでいってください。

管理者:鈴川優希
月刊誌「詰将棋パラダイス」を活動拠点とする詰将棋作家。石川県のド田舎育ちですが、大学進学とともに東京へ。詰工房などの会合に顔を出したり、解答選手権などのイベントを運営したりしてます。詰将棋は小学生の時から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回達成)。半期賞受賞6回。2016年4月より詰パラ連載「ちえのわ雑文集」の世話役に就任。現在、第一作品集を執筆中。出版は今夏を予定していましたが果たして……。

第n回裏短編コンクール
2015年11月に開催した企画で、7手詰を募集して17作を出題しました。45名もの方に解答していただき感謝です。順位発表はニコ生で放送するという新しい試み。

第φ回裏短編コンクール
2016年、裏短コン2回目の開催。9手詰25作出題の大盛況でした。結果稿はいずれもブログ右袖のカテゴリーからどうぞ。

たのしく、うつくしく。
難解? 複雑? そんなものとは無縁な「易しいからこそ楽しい」作品を紹介していく連載です。不定期更新。

解付き出題
自作を解付きで出していた企画で、現在#120をもって休止中。在庫整理の意味合いが強いので質より量です。

今週の詰将棋・
詰将棋ウィークリー

今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答して頂いた方に感謝します。
※81puzzler閉鎖につき詰将棋ウィークリーの記事にはリンク切れが多いです。

このブログはリンクフリーです。Sine 2009.6.
メールアドレス
makugaeru●yahoo.co.jp
●を@に替えてください。
全記事数表示
全タイトルを表示
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
詰将棋あるあるbot