たのしく、うつくしく。好作紹介 #9

この連載がずいぶん途絶えてしまいましたが、まあひと月に1回くらいのペースでやっていければいいかなと思っています。
たま研に出かける前にさっと更新しておきます。

今日紹介するのは、岡本眞一郎氏の作品。ググってみたところWikipedeiaに記事があってびっくりしました。
岡本氏はあぶり出しと不成で有名ですが、この作品はそのどちらでもありません。



岡本眞一郎
将棋ジャーナル 平成1年12月

シンプルな初形。初手も香を打つしかなく、解図欲が増しますね。これに対し27玉にはと金を引いて1手詰ですから、合駒を考えることになります。
しかし何を合駒しても、26と、同玉、17角の筋が強力。以下27玉、37飛、16玉、36飛、27玉、26飛となってだいたい詰んでしまいます。これを防ぐ合駒は……、そう、36に利かせるための18角合しかありません。なんとなく予想できるとは言っても、角中合の出だしは好印象です。
この場合もやはり17角から飛を使うしかありません。36飛、同角成の瞬間に、香の利きが復活するので、開王手ですね。面白くなってきました。
何も考えずに53角成とやってみます。ちなみにここは可成地点ならどこでもOK、成生も非限定ですが、そこまで気になりません。それはともかく、対して27玉には17馬の1手詰だし、18金合と粘っても同香、同馬、26金迄。万策尽きたか?
いえいえ、ここで再び18馬!と突っ込んで退路を開ける手がありました。中合した角をスイッチバックしながらの移動中合! これがこの作品のテーマ。
以下は36に逃げる手に対して27角がまさにピッタリ。結局は移動中合の角が攻方に渡って最後の決め手になりましたね。

高度な狙いを実現しておきながら、配置も収束も、どうしてこんなにきれいにまとまるのか、というほどの完成度です。まるで最初からそこに作品が存在していたかのよう。このコーナーで紹介するにもってこいの、たのしくうつくしい点まで完璧です。

本作、ジャーナル賞を獲得して、詰パラの「名曲ライブラリー」で紹介されていました。僕はジャーナルを持っていないので、そちらで知ったのです。
ちなみに空気ラボの同一作検索にかけてみると、ジャーナルではヒットせず、出典が名曲ライブラリーのほうで検出されました 笑。
ともかく、この作品は今後ずっと記憶されるべき傑作でしょう。

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管理者:鈴川優希
月刊誌「詰将棋パラダイス」を活動拠点とする詰将棋作家。石川県のド田舎育ちですが、大学進学とともに東京へ。詰工房などの会合に顔を出したり、解答選手権などのイベントを運営したりしてます。詰将棋は小学生の時から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回達成)。半期賞受賞6回。2016年4月より詰パラ連載「ちえのわ雑文集」の世話役に就任。現在、第一作品集を執筆中。出版は今夏を予定していましたが果たして……。

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今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答して頂いた方に感謝します。
※81puzzler閉鎖につき詰将棋ウィークリーの記事にはリンク切れが多いです。

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