柿木将棋9を使いこなす

会合などに参加すると、柿木を操作してスライドで作品を鑑賞するような機会がよくあります。
柿木ユーザーの中には便利な機能を知らない方もいらっしゃって、ちょっともったいないなと思うこともあるので、ちょっとマイナーな機能をなんとなくまとめてみることにしました。
なお、私が使っている柿木将棋9で話を進めるので、バージョンによってはその機能がない場合もあります。

【柿木将棋9の購入】
詰将棋を創作する際に、柿木将棋はもはや必須品です。詰将棋ってどうやって作ったらいいの?と訊かれたら、柿木将棋を買うことです、と真っ先に答えましょう 笑。
で、これも会合であった話ですが、柿木将棋ってどこ行けば買えますか?秋葉原に売ってるかな?と訊かれてびっくりしました。バージョン8とは違いシェアウェアなので、ネットでダウンロードできるのです。ただ、ファイルを開くのにライセンスキーが必要です。
柿木の将棋ソフトフェアから、「柿木将棋IXをV9.11にアップデイト」をクリックしてVectorのサイトに飛んで、ダウンロードします。またライセンスキーは1080円を支払って手に入れます。クレジットカードをお持ちでない方は柿木氏と要交渉でしょうね。(僕は母のカードで買ってもらいました)

なおサイトにはWindows8.1まで対応とありますが、Windows10で使っていても特に問題なく動きます。

【各種設定】
バージョン9になって、オープニングが省かれましたが、古いバージョンをご使用の方で、まだ毎回最初にあの微妙な曲を聞かされている方は、設定で消すことができますので、強くお勧めします 笑。
あと、おそらく虎斑のどぎつい駒が初期設定になっていて、僕はこれが気に入らなかったので、「表示」→「盤・駒の設定」から変更しています。「木目2」「木目4」「中型」「巻菱湖」と設定するとこのようになります。

kakinokiuse5.jpg

バックグラウンドで別のブログなどを開いて、それを見ながら図面入力するのに便利です。(まあ僕はただでさえ画面の小さいSurfaceを使っているので)
ちなみに、柿木右上にある「情報フォント」に何を表示させるかは、「各種設定(スパナのマーク)」→「動作2」のタブで変更できます。
僕は上から、作者、発表、作品名として使っています。こんな感じ。左側のはこのブログです。

kakinokiuse2.jpg

また、棋譜再生の時の駒音はOFFがおすすめです。またアニメーション速度は「速い」にしておきましょう。「各種設定」→「再現」タブで設定できます。

あと、「盤・駒の設定」で「外部駒使用」というのは、ネットなどで配布されている駒を使える機能です。サンプルとして、僕が昔作った駒がありますので、試してみたい方はどうぞ。

L_kouzan5c9.png

青柳衝山というフリーフォントをベースとしています。
ダウンロードした後、拡張子を[.bmp]に変えて使ってください。こんな感じ。

kakinokiuse4.jpg

【継続対局】
変化紛れを調べるために、右クリック→「盤面編集の開始」として、いったん棋譜を消してしまう方はいませんか? 便利な設定があります。これが継続対局です。
柿木上部のバーに「継」とありますからクリックすれば、棋譜に分岐を作成しつつ変化紛れを入力していくことができます。途中で「詰」ボタンを押しても、対局は続いたままです。
「ツール」→「思考・対局設定」→「自由ルール(人対人のみ)」にチェックを入れることをお忘れなく。また「編集」→「棋譜の分岐を作成する」にもチェック。

【詰将棋用設定】
どれだけのメモリを解図に充てるかを指定できます。「ツール」→「思考・対局設定」→「詰将棋」タブで、原則は
・「長手数用」を選ぶ
変化が割りきれているかを確かめる際は「短手数用」にします。短手数用ならば、必ず手数が短くなるように詰ましてくるからです。長手数用は、柿木将棋が「詰みそう」と思った順番で思考してくるので、最短手数ではない場合が往々にしてあります。
10手を超えてくる作品は、長手数用にしたほうが速くなります。
・「読み表示」は7手
柿木がどの筋を考えているかをアンダーバーに表示します。創作に便利です。
・メモリは一番小さく
難解作はメモリを大きくしないと解けません。ただ、「詰」ボタンを押して解図が始まるまでのコンマ何秒かはメモリを小さくしたほうが早くなります。マシンスペックにもよりますけどね。
また、余詰検討に時間がかかりそうな場合はメモリを増やします。
・「変化別詰チェック」は3手、10ms
この手数と時間を増やしたところで、結局は変別に落ちる場合が多いです。解図時間が長くなるだけで意味がないので、最も短くしておきましょう。
ただ、さすがに0msにしてしまうとまともに動作しなくなるので注意!
・残りは全部チェックを外す
ここはお好みですが、2つだけ注意。
「2手長駒余りを許容する」のチェックを外したところで、変長を見逃す場合が頻繁にあります。自力でチェックしないといけません。
「不詰を改善」は、非限定の多い長編などを解く際にはチェックを入れます。詳しくは柿木氏の論文を。

解図中にアンダーバーに出てくる「求解中」とは何か。僕もはっきりと言うことはできませんが、おそらく詰んでいることは分かっていて、どの応手が最善かを比較しているプロセスだと思われます。「変化別詰チェック」を長くすると、この時間がどんどん増えます。

【余詰機能】
「対局」→「余詰を調べる」で余詰検討ができます。ここの設定についていくつか。
・「成・不成の違いは調べない」のチェックをはずす
打歩詰の作品で不成が作意のところ、成でも詰んでしまったら明らかに余詰ですよね。これを検討から漏らさないための設定です。また作意は成で、不成でも詰むのだけれど、不成だと手数が伸びる場合があります。これも限りなく黒に近い余詰です。
・時間制限と進行度制限
お好みで。私は時間のチェックをはずし、進行度は250くらいにしてあります。もちろんここで検討に漏れがある場合もありますが、例の「継続対局」から紛れを1手入力して、「詰」ボタンを押すことによって、かなり綿密に調べることができます。
・「各局面で複数の余詰を検出する」にチェック、「余詰検出で中断する」のチェックをはずす
まあ初形曲詰ですべて柿木頼りという行きあたりばったりな創作でない限り、どんなパターンで余詰む可能性があるのかしっかり把握する必要があります。
・「長手数用」「現局面から」が原則
「短手数用」は、例えば変化が割りきれていることを確かめようと検討したところ、柿木が長い手順(or変同駒余らず)で詰ませてきたために、変化手順の余詰を検討する時に使います。この時、「手数制限」は「作意に対して0手まで」にしておきましょう。ここで検出された余詰によって、変化が割りきれているかどうかが確認できます。
詳しくは、次の記事あたりで書きたいと思います。

最終手余詰は、普通の余詰検討では検出できないです。しかし、最終手1手前の局面にしておいて、そこで余詰検討をかけることによって可能です。これは柿木8からの新機能です。

【便利なキー操作】
風みどりの玉手箱にまとめてあります。念のため引用しておきます。

[PageDown]  次のファイルに移動
[PageUp] 前のファイルに移動
[→] 棋譜再現
[←] 棋譜巻き戻し
[Shift]+[→] 連続再現
[Shift]+[←] 連続巻き戻し
[Ctrl]+[→]または[End] 詰上がり図
[Ctrl]+[←]または[Home] 初形に戻る
[Ctrl]+[w] 詰将棋を解く
[Ctrl]+[y] 継続対局(変化紛れの入力)
[Ctrl]+[g] 投了(「対局中」の終了)
[Ctrl]+[e] 局面編集
[Ctrl]+[F5] 詰将棋情報を開く

他にもたくさんあります。例えば「対局」をクリックすると、「中断」は[Ctrl]+[q]となっていますね。

特に便利なのは、[PageDown]と[PageUp]です。僕の場合下図のような管理をしているので、どの番号がどの作品だったか覚えられません。

kakinokiuse3.jpg

そこで、ファイルを1つずつ開いていくわけですが、「ファイル」→「開く」を繰り返すのはひたすら面倒です。そこで、まず「17-1」を開き、目当てのファイルではない場合は[PageDown]で次のファイルを開く、という操作をテンポよくやっていけばいいのです。
ただ注意したいのは、上図のように「17-1」、「17-2」、……と並んでいるにも関わらず、[PageDown]で開くのは「17-1」、「17-10」、「17-11」、……、「17-19」、「17-2」、「17-20」……という順番になることです。まああんまり気にしなくてもいいのですが。
ちなみにファンクションキーの操作を反転させている方は、[Fn]と[PageDown]同時押しです。

そして、これも以外と知られていないのですが、後手の持駒の歩18枚を、ぜんぶ先手の持駒にしたい場合。1つずつやるのは面倒です。こういう時は、[Ctrl]を押しながら右クリックで歩1枚を移動させると、ぜんぶ移動したことになります。
また[Ctrl]と[Shift]を同時押ししながら移動すると、歩だけでなく駒すべてを移動することができます。盤面から駒台へ、という移動も可能です。

【棋譜・局面のコピー・貼り付け】
「編集」→「棋譜のコピー」で、棋譜をクリップボードにコピーすることができます。基本的にkif形式でいいでしょう。メモ帳などを立ち上げて貼り付けてみてください。
逆に、このテキストを柿木に貼り付けることもできます。
よくネットで、kifu for Jabaを見かけると思います。「詰将棋おもちゃ箱」で使われているような動く将棋盤です。あれの左下の「棋譜保存」をクリックすると、そのテキストが現れるので、コピーして柿木に貼り付ければ、簡単に取り込むことができます。
なおmy cubeでも使っているフラ盤の場合、左側にある「C」ボタンをクリックすると、コメント欄にテキストが現れるので、それをコピーしてください。
おまけ。不可能手順を入力することもできます。このテキストを無理やり書き換えて、それを柿木に貼り付けるのです。まあ実用性はフェアリー作品くらいにしかないのですが。


一応、次の記事あたりで実際の詰将棋を持ち出してきて、それを効率良く検討する方法をサンプルとして載せてみる予定です。
(予定は未定です。またうちの柿木の調子がよろしくないので、無期限延期の可能性)

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my cubeへようこそ。詰将棋のブログです。駒を並べてアートが表現できるって素敵なことじゃありませんか? 詰キストの方もビギナーの方も楽しんでいってください。

管理者:鈴川優希
月刊誌「詰将棋パラダイス」を活動拠点とする詰将棋作家。石川県のド田舎育ちですが、大学進学とともに東京へ。詰工房などの会合に顔を出したり、解答選手権などのイベントを運営したりしてます。詰将棋は小学生の時から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回達成)。半期賞受賞6回。2016年4月より詰パラ連載「ちえのわ雑文集」の世話役に就任。現在、第一作品集を執筆中。出版は今夏を予定していましたが果たして……。

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今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答して頂いた方に感謝します。
※81puzzler閉鎖につき詰将棋ウィークリーの記事にはリンク切れが多いです。

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