第n回裏短コン「主役と名脇役」

今回、改作合戦が行われていろいろ書くべきことがふんだんにありますので、読み応えありです。最後までぜひお付き合いを。
改作について、作者の了承はとっていますのでご安心ください。

15位
主役と名脇役
みつかづ



点数012345678910
人数511674622000

正解43 誤解0 無解2
得点2.03
人気投票 0人
ベストタイトル投票:1人

作者
「11枚の7手詰」という創作課題は案外難しいですね。収束で大駒捨てが入れられれば良かったのですが……。

★スマホ詰パラで50作以上を発表しているみつかづさん、初登場。

★本作は裏短コンの中でおそらくいちばん易しい。持駒がないので52からの脱出を防ぐためには42角成が絶対。そして続いて香筋を通すための64角も絶対ですね。これに対して41玉だと31角成の1手詰。取るしかありません。
★57飛が影から利いているので53香成とはできずに銀成。そして最後は王で王手はできないので31桂成迄の詰み。
★紛れはまったくないものの、細かいところが限定されているのがアクセント。

★残念ながら順位争いでは最下位に甘んじてしまいましたが、大駒2枚を立て続けに捨てる手順で、やるべきことはやっている。17作もある裏短コン、なにせネット上での開催ですから、こういう作品も絶対必要ですね。
★評点もちゃんと2点を超えました。

孫の手
易しい作品で参加してくださる方は本当に有難い。

★解図に疲れた時のオアシス的役割。

Hiro
角が主役で、飛の動きを防ぐ香が名脇役でしょうか。

河童生
主役は21王? 次々と脇役が登場しては消え行く。表題に、さだめなくとび散らふ落葉の風情を感じます。

★ロマンチック。タイトルの解釈もいろいろですね。

冬眠蛙
主役が見当たらない……。誤解?

divD
主役は誰?

山下誠
主役は桂馬、2枚の角は脇役だった。

奥鳥羽生
どれが主役でどれが脇役かが解明できない。57飛が名脇役かな?

園城寺怜
脇役は角として、主役は香車? それにしては動かないし……よくわからない。

たくぼん
さてどれが主役でどれが名脇役。主役は死なないので香かな。

彼方
主役は桂、脇役は角?

小林尚樹
主役とは玉のことか。家来たちが討ち死にしながら玉を守る姿がタイトルだと思うが、脇役というだけで主役の存在はわかるので、「名脇役」だけで良いと思う。

ほい
角さん角さんが脇役で桂さんが主役なのかな?

★たくさん予想が飛び交いましたね。

名無し名人
3手収束しか印象に残らない手順。いったい何が主役で何が名脇役なのか、謎は深まるばかり。21王は22とでも成立してそう。最終手が限定されるくらいしか双玉にするメリットはなさそうだが。オオサキさんのツイートで混乱したが、最初の予想通りみつかづさんかな。

もーたー
みつかず氏(根拠はない)

★お二人的中。

長谷川
成らず作品多い中で、成3回はむしろ新鮮かも。

★確かに。今回は不成が多かった。(根回しがあったからですが)

有吉弘敏
双玉の理由は?

桂花
ちょっと平凡。

三輪勝昭
僕は一目で作意手順が見えたけど、何か面白い紛れがあるのだろうか?

夏風
すごい逃れがあるのかと不安になる手順。

★せっかく双玉にしているのなら……という感じでしょうか。

まつきち
王手をしていたら詰んでしまったので、双玉の意味がわからなかった。54角合の逆王手なんかを期待したのですが……。

金少桂
裏短コンの客寄せ問題ですね。抽選だから仕方ないけど、1番上に置きたい問題。ただ、一本道すぎるのでもう一つ何か主張点がほしい感じ。

松尾 裕
面白くない。

中村雅哉
狙いが良く分かりません。

EOG
何ともストレート。

青木裕一
こんな角は捌くしかありません。

肉饂飩子
命名の意味がわからない。

kaga
双玉の味今一つ。

さわやか風太郎
双玉がまるで生きていない。

馬屋原剛
狙いがわかりませんでした。

後藤 満
双玉独特のスリル(緊張感)が欲しい。

h160se
コンセプトが不明。誤解してたらすみません。

★辛口評が並ぶのは、作品をよく見てもらえている証拠。

ほっと
おそらく入選歴が無い方でしょう。内容はもっと欲張ってほしい。厳しい短評も来るでしょうが、一流と呼ばれている作家も絶対にこんな時期があったはず。

齋藤光寿
狙いは角の連続捨てでしょうか?

不透明人間
双玉の意味づけは最終手?

すみしん
作品の狙いが読み取れませんでした。逃れ順や変化順に僕の読み取れなかった妙手順があるのでしょうか。

3時のおやつ
全くの平凡作。

tsumegaeru
手順にもう一工夫欲しい。

竹中健一
手順がイマイチ、タイトルも意味が分かりません……。

占魚亭
頭が丸い角は邪魔物。

ミーナ
この作品のねらいは、ズバリ最下位! 作品を提供してくださった、作家の方たち(主役)に決して恥をかかせないホスト魂。作者は鈴川優希(名脇役)で間違いありません(確信)

★素晴らしい解釈!

★さて、ここからは本作のおもしろさにどんどん迫っていきます。まずはikironさんから。

ikiron
57飛と33歩を省いて纏めてはいけなかったのだろうか。プレ短コンには出せなくなるけど。

uran-10-shuyakuto4.png

★今度は5手目53香成が限定ですね。ちょっとだけシンプルになりました。
★それをもっと大胆にやってみたのがオオサキさん。

オオサキ
素直すぎる手順で、題名の意図も21王の意味も分からず。何かを見過ごしていないか不安。51歩を桂に、57飛を無くして、右に3列平行移動させてはだめ? 9手詰になっちゃうけど。

uran-10-shuyakuto3.png

★実質3筋より左は使っていないようなものだったので、端に寄せてコンパクトにしました。34角に対して11玉と逃げる手が生じるので、12角成で邪魔駒消去の9手詰。
★……あれ、じゃあまだ不要駒が。

uran-10-shuyakuto2.png

★鈴川提案の図。こんなにシンプルになるんですね~。
★生放送でこの図を紹介したところ、コメントで「積み崩しができそう」と。その着眼点、敬服します。
★25角、14銀、23角を続けざまに打って、それを順次成り捨てていく手順。積み崩しの理想ですね。ただ、23角だけは打ってすぐ捨てるわけにはいかないので、そこで何か別の手を挟む必要がある……ということを示唆して放送は終わりました。

★いち早く実現してメールを送ってくださったのが金少桂さん。



★22玉に対して34桂を打つ。するとそれが邪魔で34角と出られなくなるので捨てる。なんとも虫がいい手順ですね。配置はゴツくなりましたが、むしろこれだけで済むのか、と思いました。
★手順成立のカギは、6手目21玉に対して36角を用意すること。しかし34に桂馬を据えない状態でで36角とすると、43の角の利きが消えるので不詰、という原理。
★1段目の飛車は、7手目21角の余詰防ぎで致し方なし。攻方13歩も気になりますが、2手目の変化に必要。

★この図の変化紛れを調べているうちに、僕が見つけた図を次に紹介します。



★金少桂さんの図から駒数を2枚減らしつつ、桂の捨合を入れました。変化手順の割り切りが絶妙なので、分岐手順を見てみることをオススメします。変化にヤケクソ中合が出るなんてめったにないですから 笑。

★これなら詰パラに出せるかも……、作者名はどうしよう、などと話していたところに登場してきたのが、三輪さん……である。



★手順は同じですが、配置がとってもシンプルに。
★先程の図で手順成立のカギだと言っていた、34桂に21玉と逃げる変化。三輪さんの図では開王手ではなく、11歩成を用意することによって割り切っています。
★なんだ、それだけか……ではありません。これによって飛を28に置くことが可能に。まあ原作に戻ったわけなんですが、これで香を動かす余詰をほとんど解消。15手目に22香成、同玉、23銀成、21玉、12全という順があるために金少桂&鈴川図では3筋に壁を作れなかったわけですが、そこを克服したのが大きく配置を軽くできました。
★四桂配置の意味は変化で桂合を売り切れにするため。でもどの桂も飾り駒じゃないので目立ちませんね。

★僕としては、難解に作るよりも積み崩しを易しく表現したいと思っていたので、三輪さんの図はかなり好みでした。

★……さてその頃、みつかづさんは孤軍奮闘。自分の作品なのだから自分で改作したい……! そういう思いが実現させたのが次の図。



★桂馬じゃなくて23香を打って崩す構造にしたのがみつかづさん独自の工夫。これで今まで苦労していた1段目の飛を置く必要はなくなり、逆にそっちを作意に。さらにもう一つ。例えば三輪さんの図で8手目は11玉か21玉かが非限定で、これは構造上仕方ない……と思っていた問題までも解決。
★まさに原作者の面目躍動!
★その半面、配置にちょっとしわ寄せがきてしまった印象。37成香は変化で64角~37角で詰ませるための質駒。

★ここらへん、もうちょっとどうにかならないかな、と思いまして、推敲なら鈴川の出番。



★今回の改作のカギは、ズバリ、持駒を銀ではなく金にしたこと。これで煩わしかった4手目24玉などを消しています。
★待てよ……持駒が金……これで桂打の手順にちょっと戻してみたら、もう少しシンプルな図にできるんじゃないのか……。
★というのも、この香の積み崩しだと、初形で持駒に持たせておくわけにはいかない(初手16香など強すぎる)ので、途中で駒取りになってしまうのが大きな弱点。桂ならどうか。

★そしてもう一つ閃いたことが。
★下は三輪図で、6手目21玉と逃げた局面。ただし12歩が脱落しているので、これは先程述べたとおり詰みません。

uran-10-miwazux.png

★じゃあ、ここから玉を12に誘導する手順を積み崩し風に入れられないか……。あれ、これってもしかして……ダンスの歩ができないか?
★具体的には、22歩、11玉、12歩、同玉、13歩、11玉、21歩成、同玉、12歩成、同玉という、詰将棋で稀に見かける手筋。こんなのが入ったら都合がよすぎるんですが、まあそんなに世間は甘くなく、最後12歩成のところで12角、11玉、22桂成、同玉、23角成の余詰が原理的に防げません。
★しかしちょっと待てよ……何も歩を3枚使わなくても、13歩じゃなくて23角と打って、11玉、21歩成、同玉として還元させればいいんじゃないだろうか……。しかも三輪図の非限定も消せるぞ。

★原理的に成立していることは必ず実現可能だというのは若島正さんの言葉ですが、まあいろいろあってできあがったのが次の図。



★盤面貧乏対子図式。攻駒は香1枚だけ。形も手順も、僕好みのものになりました。
★今回のキーポイントは、3手目14歩の余詰防止の方法。22玉、23歩、33玉、34金、42玉、43金、51玉以下逃れです。しかし作意18手目33玉には34馬、42玉、43馬、51玉、61馬があって詰むというわけ。ここの折り合いの付け方がかなり難しかったです。

★このまま決着でも充分なのですが、次が本当のラストです。金少桂さん側からのアプローチを活かして、捨合を組み込みましょう。



★初手36角は27香に紐をつける限定打。銀の頭に打つのがお気に入りです。同銀には23角、15玉、16歩が地味ながら味のよい手。
★今度は3手目14歩の紛れをどう処理したかというと、17とが16を守っているので……というわけです。

★というわけで、ここまで続いてきた改作合戦も、すべての構造を統合することによって有終の美を飾れたのでした……めでたしめでたし。

★原作よりも改作がメインになってしまいました。まあしかし、それは原作の素材がそれだけ優れていたということ。それがなければこんなに盛り上がりませんでしたからね。
★「主役と名脇役」って、こういうことかな?

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12歩の意味

僕の図の12歩の真意は13玉と15玉の形で歩を叩かれなくするためです。
22歩~21歩成を入れる予定が、2手目23玉と24玉、4手目24玉を詰むようにすると、13玉に14歩の余詰が消せないので、21玉対策を兼ねて12歩を置きました。
勿論、持駒金にする方法はあるだろうと思いましたが、24玉対策が難しいので、銀で創ってみたかったのがあります。

僕はこの積み崩しを生かすには合駒稼ぎは入れたくないです。
そもそも積み崩し手順じゃなくても、合駒稼ぎが嫌いですが。
でも最後の図は36角はわざわざ取られるところに打つ限定打。
36角が取られない形なら、25合など当たり前の手でしかないのですが、36角を取れる形なら25合は妙手になります。
最後の図は素晴らしい改良図だと思いました。

★それからミーナさんの作者当ては時々迷推理がありますが、今回は見事な名推理!
主催者は皆さんを主役にするために最下位になりそうな作品を出す。
完璧な推理。
しかし、鈴川君は最下位になりそうな作品を持っていながら、投稿作を呼び戻してまで、人に花を持たせるのが嫌いな人間なのである(笑)。

改作について

お忙しい所、改作ありがとうごさいます。

持駒の銀を金に替えるという発想で盤上の不要駒が一掃できる事に気付きませんでした。

私の図、持駒の銀を金に替えて玉方4一桂→4二銀、2八飛→2七飛、詰方2七香→2六香と変えると、変化対応の玉方3七成香や攻方3六歩、4四歩などを取り除けますので、見直しが甘かった様です。

裏短コンの作品を解いてみたり、鈴川さんや三輪さん、金少桂さんの改作図を拝見させて頂いて、詰将棋の配置の難しさ、洗練させていく楽しさを学びました。

「主役と名脇役」の題名については、いろんな解釈がありそうです。
「解いて下さる皆さんが主役で、いつの日か自分も、「アイツ、作るの上手くなってきたな」と思って頂ける名脇役になれればいいな」という願いも、ちょっぴり込められています。

No title

三輪さん、僕も14歩対策のために12歩置きたくなりましたよ 笑。
でも積み崩しを演出するためには途中で取られるだけの攻駒は置きたくないなと思っていたので、別の手段で14歩を防ぐよういろいろやってみました。

みつかづさん、改作図で23香消去の構想を思いつくのは発想の転換が必要で、センスが光りました。
推敲もとにかく数をこなしていけばすぐに上達しそうですね。
上から目線で申し訳ありませんが、今後とも期待しております。
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my cubeへようこそ。詰将棋のブログです。駒を並べてアートが表現できるって素敵なことじゃありませんか? 詰キストの方もビギナーの方も楽しんでいってください。

管理者:鈴川優希
月刊誌「詰将棋パラダイス」を活動拠点とする詰将棋作家。石川県のド田舎育ちですが、大学進学とともに東京へ。詰工房などの会合に顔を出したり、解答選手権などのイベントを運営したりしてます。詰将棋は小学生の時から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回達成)。半期賞受賞6回。2016年4月より詰パラ連載「ちえのわ雑文集」の世話役に就任。現在、第一作品集を執筆中。出版は今夏を予定していましたが果たして……。

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今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答して頂いた方に感謝します。
※81puzzler閉鎖につき詰将棋ウィークリーの記事にはリンク切れが多いです。

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