詰パラ 入選101回 デパート

詰将棋パラダイス2015年12月号
デパート 第1番

入選101回
東京都 鈴川優希



「ダウンサイドアップ」

誤0 無0 正47

解説:會場○大

考えどころを少なくするということが最善の表現になることがある。本作、考えるところといえば「上から行くか、下から行くか」だけである。初手に73飛としてみて、取れば63飛以下詰む。しかし、85玉とされて、75飛成には96玉で逃れる。そこで初手75飛とこちらから打ってみると、83玉、73飛成、92玉には93飛で簡単に詰む。つまり、何気なく置かれている94歩が上下に非対称であることが、作意と紛れの非対称を作り出しているのである。一方、水面下の変化は対照的であるのも趣を生んでいる。初手75飛に同玉は65飛、74玉、73金、同玉、63飛成と作意をちょうど上下反転させたような手順で詰む。作意どおり83玉に73飛成とすれば、最初に検討した紛れの中の理想手順が実現して詰む構造も明らかに意図的である。
☆このような狙いを持った作品を作るにあたって、必要なのはその二つの幹の関係性だけであって、それ以外は夾雑物(きょうざつぶつ)なのである。したがって本作は必然的に変化紛れをそぎ落とした表現になるし、またそのように作ることが作者の腕の見せ所である。作者のセンスと手腕が発揮された一作といいたい。



解説で言い尽くしてもらったのでそのまま掲載しました。
英語で「上下さかさま」を「upside down」といいますが、それをさらにさかさまにして「downside up」をタイトルに。

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管理者:鈴川優希
月刊誌「詰将棋パラダイス」を活動拠点とする詰将棋作家。石川県のド田舎育ちですが、大学進学とともに東京へ。詰工房などの会合に顔を出したり、解答選手権などのイベントを運営したりしてます。詰将棋は小学生の時から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回達成)。半期賞受賞6回。2016年4月より詰パラ連載「ちえのわ雑文集」の世話役に就任。現在、第一作品集を執筆中。出版は今夏を予定していましたが果たして……。

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今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答して頂いた方に感謝します。
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