第φ回裏短コン「スパイラル」

お待たせしました。ついに優勝作品の解説となります。

優勝
スパイラル
有吉弘敏

点数012345678910
人数0000031561410

正解39 誤解3 無解3
得点2.83
人気投票 1位:16人 2位:8人 3位:3人
ベストタイトル投票:3人



作者
2年前の原図は33角打で、最終3手は類作も多くありお蔵入りさせていました。
33への角の移動で類似臭を緩和したつもりですが、如何せん今一つです。
ただ残しておきたい気持ちもあり、すみませんがお世話になります。

★詰パラでも高品質の作品を発表されている有吉さん。作者コメントが謙虚ですね……。

★95角をどこかに動かすしか王手のない形。とりあえず77角とやってみます。89玉、99龍、同桂成、82龍、98玉、88龍で、あれ、詰んでしまいました。2手目は97桂合が正しい応手で、同龍、同玉、92龍、96歩合で逃れです。
★97桂合をさせまいと初手86角としてみると、今度は89玉、99龍、同桂成に82龍が王手ではないので逃れています。
★では初手73角成は? 89玉、99龍、同玉(同桂成は82龍)、55馬、89玉、29龍、同と、88馬迄ぴったりの詰み。これが作意……としてしまった誤解がいくつかありました。よーく見てください。3手目99龍に78玉という手があります。詰みそうで、詰まない。
★というわけで、正解は最遠移動の51角成! 先ほどの逃れ順、78玉に対して72龍迄の詰みを見せているんですね。もうおわかりかと思いますが、初手62角成でもその馬が邪魔になって72龍が指せないという仕組みです。

★明快かつ目新しい構想で最遠移動を実現しており、その後の馬の大回転もタイトルどおりで、解答者の期待に沿う作品になっています。
★2位以下に0.05点以上の差をつけて堂々の優勝となりました。

馬屋原剛
初手は、86角、77角、84角、73角成の順に読み最後に51角成に辿り着いた。桂が利いているにもかかわらず99への龍捨てが成立しているのがすごい。非常にスケールの大きい作品。優勝候補。

金少桂
初手驚異の最遠限定移動。変化でも大駒のパワーが最大限に活用されていてすこぶる気持ちが良い。傑作。

EOG
この角の転回は思いもよらなかった。

梶谷和宏
最初はやっぱり86角と引いちゃいました。

奥鳥羽生
主題表現・謎解き要素・手順構成・変化構築・配置すべてが作図の達人といった感。
今回参加作家には達人が多いので誰かはわからないが、あえてしぼれば有吉弘敏さん。

★唯一の作者的中でした。お見事。

松尾 裕
すごいなあ!

kisy
「これが大駒です」シリーズよりも大駒らしい? 躍動感溢れる手順。

名無し名人
うおおおおお!これはスゴイラル!ヤバイラル!まさかの最遠移動からの大転回に感動した。2手目合駒の変化で歩合を防止しつつ駒余りで割り切っている92歩は上手い配置。昨年も含めて初めて10点付けた。冗談抜きで10点付けないと呪われるくらい大傑作だと思う(笑)
作者予想=青木裕一さん。前回の『duplication』も二枚角ダブりの筋だったから。有吉さん、鈴川さんあたりも怪しいけど。

★青木さん予想、惜しい。ちなみに本人は、

青木裕一
収束5手は考えたことがあるけど、この頭4手は思いつきませんでした。上手い手順だと思います。
Pathfinderさんと太刀岡さんで迷いましたが、予想はPathfinderさんで。

★褒め評。

虹色のルモ
盤面を大きく使って大迫力、タイトルともマッチしてますよね。

おかもと
95角の軌跡が見事。今回の作品の中では一番完成度が高いのでは。

まつきち
51角成から99龍は想定外の展開。大駒の威力を十二分に発揮した佳作!角の軌跡と龍の移動の組み合わせに、フィギュアスケートのスパイラルを連想しました。

まっつぁんこ
このコンビネーションはみたことがない

ほっと
素晴らしい。さすがは鈴川さん。

★僕が表短コンに出した作、もともとは馬がぐるっと回ってくるバージョンで、裏短コンで使う予定だったのですが、スパイラルが投稿されてきてイメージが被ると思い急遽変更した経緯があります 笑。作者予想残念でした。

景山英貴
龍と角を邪魔しない唯一の移動場所。これだけの配置で成立するのはすごい。馬屋原剛さん。

tsumegaeru
95角の動きが面白い。

江市 滋
感動はしないが、こうなればいいかな、という展開には進んだ。

山下誠
盤面を大きく使うダイナミックな大駒の乱舞。

大瀬戸
2手目合駒の変化で悩んだ。

★97合、同龍、同玉、92龍、86玉、95龍、76玉に拾った合駒を打って同手数駒余り。92歩配置は、(1)この変化で97歩合を二歩禁にして最後打歩詰になることを防ぐ、(2)この変化を駒余りにする、(3)6手目98玉の変化を駒余りにする、の3つの意味をもっていて効率がいいです。
★しかしそれでも、

竹中健一
なかなか面白い手順ですが、92歩が残念かな…

★という見方はあるわけで、作者も気にされていました。

原田椅子
33まで角を持ってくる意味づけが秀逸。

太刀岡甫
ダイナミックな動きと対照的に、限定移動と2手目の変化が精緻に割り切れていて凄い。龍をしっかり捨て切るのも見事。馬屋原剛さん作と予想。

ミーナ
大駒はおおきく使え。思い描いた手順が盤上に実現するとき、やったと叫びたくなります。極限まで研ぎすまされた配置は技術の極み。
作者は連覇をねらう馬屋原さんでしょう。

桂花
やや大味だが、92歩が絶妙の配置。

Pathfinder
無理のない形で角の大転回が表現されている。飛び交う大駒が美しい。

河童生
見上げる夜空に渦巻き星雲。飛び交う大駒、特に95角の動きに大興奮。 

齋藤光寿
最遠移動の意味合いがシンプルで綺麗。

黄楊一輝
完璧な仕上がり。文句なし。Pathfinderさん?

後藤 満
悩ましい変化も初手の発見でスッキリ。雄大さを感じる好作。

不透明人間
竜巻!

★作者はスパイラルというよりブーメランに見えたけどタイトルとして陳腐なのでやめたとのことです。

すみしん
ダイナミックな大駒移動が楽しい作品ですね。タイトルも角の大移動を端的に表現しており、素晴らしいと思います。

園川彼方
角が限定移動し、さらに二枚角のエンジンを構築するとは!

オオサキ
「高評価を得る短編を作りました」という感じ。お行儀がよすぎて、いまいち口に合わない。本誌でどうぞ。

★そんな感じはしないんですよね……作者も数々の不満点を挙げており、裏短コンにぴったりだと思いますが。

もラン
間駒の変化で地味に苦戦。3手目が右方向の動きなら回転感がなおよかった(無茶か)。

園城寺怜
角の大転換。大駒が盤上を走り回る気持ちのよい作。

ぶじょー部長
大駒を大きく使って壮大な感じ。

★将棋部のこーきくんは誤解でした。

占魚亭
見事な角の大転回。

野々村禎彦
限定最遠移動と遠隔操作を組み合わせた素晴らしい構想。初手▲73角成は4手目△78玉で不詰の紛れも良い。初手成不成非限定は小キズだが、高水準の争いなので減点要素になる。

三輪勝昭
角移動は62ではダメなのは明白だが、73だと99龍に78玉でダメなのは巧く出来ている。
変化もピタリと決まっていて優勝候補。
成不成非限定が2回重なるのがちょっと気になる。
作者予想=久保紀貴作。

★この成生非限定だけが惜しまれるところ。ちなみにその久保さんは、別の観点からここに言及しています。

久保紀貴
初手に痺れた。半期賞級。ただ一つだけ、95を馬にできないのが少し残念。成生非限定ということもあるが、それよりも86角成(馬)という選択肢がないのが惜しいと思った。作者予想はPathfinderさん。

★もし95馬の形で成立していたら、初手86馬or84馬がダメな理由が、「82龍の利きを止めてしまうから」の一点に絞れます。発表図だと「そもそも成れないから」という意味づけも重複してしまうんですよね。構想作家的な考え方。
★とは言っても、それだと初手77馬の紛れが強すぎてさすがに成立させる方法が思いつきません……。構図を90度回転させるとかの工夫が必要でしょう。

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運営ご苦労様でした

わかりやすく丁寧に解説戴き、ありがとうございました。
第n回は参加できませんでしたが今回は作品で参加できました。
短評がこれほど見れる催しは他にはなく、やはりありがたいものです。

また、25題の密度の濃い様々な作品を解図し、作者予想を行うのは実に楽しかったです。

企画からはじまって運営に費やされた工数は膨大だったと思います。大変ご苦労様でした。結果稿が継続されている中ですが、御礼まで。

No title

こちらこそ、作品を投稿していただけるだけで感激です。
全短評を紹介できるのもこの企画のウリの一つなので、お楽しみいただけてよかったです。
今後ともどうぞご贔屓に。

びっくりです!

初手73角成としていたことに今頃気づきました。なんともお恥ずかしい。51角成で解いていたら、間違いなく10点つけてました。有吉さんごめんなさい。

No title

>梶谷さん
ごめんなさい、採点ミスです。
……と思っていたら、採点のほうはちゃんと誤解扱いになっていて、評点も正しいです(誤解者は計算に入れないので)。うっかりして結果稿に短評だけ載せてしまった形ですね。
せっかくコメントしていただいたので、短評も残しておきます。とくに誤解に絡む短評ではないので。
ご指摘ありがとうございました。

スパイラル

なにこれかっこいい、と言うのが素直な感想、とそんなことコメントに書けないので大迫力なんて言葉で濁してしまいました。こー言うの創りたいなーと思える作品でした。優勝おめでとうございます

No title

おめでとうございます。
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管理者:鈴川優希
月刊誌「詰将棋パラダイス」を活動拠点とする詰将棋作家。石川県のド田舎育ちですが、大学進学とともに東京へ。詰工房などの会合に顔を出したり、解答選手権などのイベントを運営したりしてます。詰将棋は小学生の時から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回達成)。半期賞受賞6回。2016年4月より詰パラ連載「ちえのわ雑文集」の世話役に就任。現在、第一作品集を執筆中。出版は今夏を予定していましたが果たして……。

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今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答して頂いた方に感謝します。
※81puzzler閉鎖につき詰将棋ウィークリーの記事にはリンク切れが多いです。

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